第50回 石蟹山城 前編 | にいみ(新見市)探検隊初陣!Season6

第50回 石蟹山城 前編

私たちはこの1年間、新見の町を探検してきました。そこで多くの新見市民の方々と出会い、そして、いつも優しく新見についてたくさんのことを教えていただいてきました。


卒業が近づいた頃、第48回で訪問した石蟹駅の小川さんから、石蟹には山城があり、保存会もあると教えていただき、すぐに保存会の方々を紹介していただきました。
その縁で、新見南小学校の児童向けに開かれた石蟹山城に関する講演会(岡山の歴史家・山本範先生)の内容を、南小の福田校長先生の特別のご配慮で勉強させていただくことができました。


知れば知るほど謎の多い石蟹山城に惹かれていった私たちは、南小の児童たちの石蟹山城登山にも参加させていただき、子どもたちが地元新見の歴史文化をどのように吸収していくのか、そして私たち「よそ者」が同じ体験をすることで、新見の人になっていけるのかを肌で感じさせていただきました。


そこで、卒業で新見を離れる私たちは、この1年の集大成として、そして、にいみ探検隊の活動4年間の通算50回目の訪問地として、「石蟹山城」登山について報告したいと思います!



本当は12月に登山の予定でしたが、度々の悪天候で3回ほど延期となり、2月26日にようやくの登山決行となりました!
何度も何度も延期となり、私たちははたして登山できるのかと心配になりましたが、悪天候が重なるあたりも「新見らしさ」として、とても思い出深いものとなりました!


そして2月26日。
いよいよ、待ちに待った石蟹山城登山スタートです!!!
転んでも足がはまっても大丈夫!そんな完全装備の元気な児童12名が集まりました。八尋ゼミからは隊員No.5、24、35の3名が参加しました。




石蟹山城保存会の会長である小川克巳さんからは全員に麦茶を、石蟹公民館長さんからはホッカイロをいただきました。
小川さんが、共に登るメンバーを紹介し、登山開始!



山城の道は思った以上に険しい道や坂道があり、息を切らしながら登りました。


(登りながら)
「今どこ?」「長屋かな?」
「ここはどこだ?」「山の中の細い道!(笑)」


児童は足元に気をつけながら、友達と会話を弾ませたり、日常ではあまり見ない自然の物を手に取り、それぞれが楽しそうに登っていました。


それでも思っていたよりも疲労がたまるようで、時々はさんだ休憩時には
「お茶がこんなに美味しいとは……」
と、普段とは少し違うお茶の美味しさに感動する児童たちなのでした。


初めに“堀切”というところへ行きました。


【堀切(落とし穴)】
敵の侵入を阻止するためのもの



“落とし穴”って、何故か馴染みのある単語ですよね。いたずらで作ったことがある方も多いのではないでしょうか?
本物の落とし穴を目にした児童たちは……


「落とし穴だ!」
「すげぇ急じゃな」
「あそこから落ちたら……」


素直な驚きと恐怖の思いを口々にしていました。


そして、曲輪という意味の出丸へ行ったあと、城の正面である“大手”に着きました。


【大手門】
城の正面で、東北方に位置する



道が細く斜めで、とても危険でした!正直、行くのをためらいました……。


「怖い……」
「落ちたら……」
「すげぇ楽しい」


敵を排除することが目的なのですから、優しい道なんて存在しません。それにしても、中でもここは一番怖かったです。
しかし自然の絶叫アトラクションであるかのように、その恐怖を楽しむ元気な児童も!


そうして、城の玄関(出入口)である虎口や、連絡道として使われていた武者走りへ進みました。




小川さんの説明の中、講演会などで習ったことのある用語に「聞いたことある!」と反応する児童たち。
歴史上の学んだことを実際に目にすることは、本当に貴重な体験になるんだなと感じました。


登っている途中には何本にも枝分かれしているような大きな木がありました。




木の周りは約4mにもなるそうで、石蟹の神社にある大木の次に大きい木であると小川さんが説明されていました。
城ができるよりも前に芽がでたそうです!
ということは、少なくとも500年以上前……!
某有名アニメ映画を思わせる佇まいに、感動しっぱなしの一同でした。


中編につづく