幼い頃の記憶にある出来事です。



あの頃は

サラ金が、はやっていた時代でした。

はやる、そんな変なものが一大時代を築いた時でした。


私の家は、六人家族。

共働きの家でした。


昔は共働きは珍しい時代で

誰もいない家に帰るという事が可哀想な目でみられたりしていました。



家に一番に帰る私。

玄関には沢山の張り紙


一人留守番をしていると

チャイムと電話が鳴り響きます。



全て

サラ金からでした。


サラ金からの督促状に催促

督促状や張り紙があれば

それを隠し剥がすのは私の役目



親も兄弟も

そんな家に帰ってくる事を嫌がり

取り立て人の相手も私の役目でした。


小さな子供に優しい人もいれば

容赦なく怒鳴る人

すぐに帰る人もいれば

玄関でタバコをふかし居座る人


色々な人がいました。




まだそれは

取り立てに対する法律が出来上がる前の時でした。