厚生労働相の諮問機関・労働政策審議会(会長、諏訪康雄・法政大大学院教授)は28日、仕事がある期間に合わせ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」を原則禁止にすることなどを柱にした労働者派遣法改正案を長妻昭厚労相に答申した。昨年、派遣労働者が相次いで契約途中で雇い止めになったことを受けて改正が検討されてきたが、派遣先責任の強化が盛り込まれなかったことに、労組の一部からは批判の声も上がっている。

 答申では、通訳など専門業務と高齢者や産休代替などを除き、登録型派遣を原則禁止とし、製造業務は常用型派遣だけを例外として許した。日雇い派遣も原則禁止とした。禁止業務への派遣や偽装請負などの違法派遣があった場合、派遣先が派遣労働者に労働契約を申し込んでいたものとみなす「みなし雇用制度」を導入した。

 登録型派遣の原則禁止の施行は3年の猶予を付け、問題が少ない職種はさらに2年適用を猶予する。審議をまとめた部会長の清家篤・慶応大塾長は「労使の意見の隔たりが大きかったが、ぎりぎりのところでまとまった。改正を実効あるものにするためにも労使合意は重要だ」と話した。

 だが、派遣先の労組との団体交渉応諾義務や、未払い賃金に関する派遣先の連帯責任など派遣先責任の強化は見送られた。安定しているとされる常用型派遣がどのくらいの期間の雇用なのかも規定されなかった。また登録派遣禁止は施行まで最大5年の猶予が与えられた。不安定雇用を繰り返す派遣労働者からは「5年も待てない」という声も聞こえる。

 抜本改正とならなかったことで、労組などは「実質的な骨抜き」と強く反発する。棗(なつめ)一郎弁護士は記者会見で「内容には画期的な部分もあるが、施行が最大5年後では話にならない。救うべき人が目の前にいることは、昨年の派遣村で明らかになったはずだ」と批判した。

 また、派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「団交応諾義務など派遣先の責任がすっぽり抜け落ち、民主党などの3党案より明らかに後退しているのはおかしい」と訴えている。【東海林智】

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