唐突に春爛漫に模様替された街に無情の雨が降る。


折しも週末、そちこちで祭りだのフェスタだのフリマだの、外イベントの特異日。


ご縁のある方々が、出店なさってたり、参加していたり、演じていたり…嗚呼、無情…


たちの悪い風邪が流行ってるというのに。


かくいう私は、出かける意志はあったのだが、あったはずなのだが、結局一日引きこもりお仕事。


オペラのカタログのカットのラフ。他にもやらねばならない仕事、引き受けた話が目白押し!


引きこもり中の引きこもりたる引きこもりキングとなっても恥じないほどにやるべきことはある。


ありがたき幸せ…


それなのに、来週再来週は出ずっぱり。


それもまた良し。


大~~~昔、最初にフリーになる前は会社にへばりついてたようなアニメーターだったから、好きなだけ家で仕事できたらいいよなぁ~とか思っていた。そうは問屋が卸さぬ。


勇気を振り絞って営業して回っても、即仕事になる訳でもないから、日に三つバイト掛け持ちしながらフリーイラストレーターとして細々と仕事を受け、アニメの仕事ももらい、占い師の真似事まで始めた。


ただひたすらに忙しい。ただ、徹夜だけは格段に減った。ーーアニメーションの〆切りの時は除く。


出ずっぱりであった。西荻、吉祥寺、三鷹を行ったり来たり。行動範囲狭っ!



酔って疲れて家にたどり着く前に公園のブランコで休憩していて、生まれて初めて警官二人から職質を受けた午前2時。今思い出しても、余計なお世話だ!


腰の下までの長い黒髪、黒いつば広帽、黒いマントの下は藤色のミニワンピ、紫色のインドの神様スカーフをサッシュにして、黒スパッツ、黒ロングブーツ。親指以外は指輪して、アクセはじゃらじゃらインドものか、手作りで。紫のディパック肩にかけ、ウォークマンで外界遮断。文庫本とスケッチブック必携。怪しい風体の女だ。そりゃ職質もするわな。ほっとけ!


そんな27歳。



倍年取ったが、今なんか、あの頃と同じにおいがする仕事観。あの頃は過度期だったが…今もそうなのか。そうだよな~、ステージが変わって行く予感がひしひし。


楽しい…かも。