贈り物。
誕生日とかクリスマスに貰うそれではない。
ある日突然誰かから受け取るそれが、何よりの宝物になったりすることがあるから不思議だ。
アルゼンチンのブエノスアイレスで、出会ったスペイン人が、
こんな話をしてくれた。
「以前、仲の良かった友人を自ら手放してしまった」
少し前に、彼はその友人のSNSの更新を、ひょんなことから目にしたようだった。
その投稿は、直近の旅行に関するもので、
現地人との心温まる出会いと、共に旅をした人との真っ直ぐな友情が綴られていた。
そんな友人の素敵な投稿に触れ、深く心が動かされたのだという。
その友人の魅力が沢山詰まっていた内容だったと、彼は話していた。
僕は、彼にその友人との、ことの経緯については聞かなかった。
何か事情があるのかもしれない。
もしかしたら、今じゃないのかもしれない。
ひょっとすると、少し先なのかもしれない。
ただ、彼がごめんねって、いつかその友人に言える日が来ることを、僕は祈っていたいと思う。
ひとりで旅をしていると、大切な人達のことを思い出すことがある。
「ひとりで旅をして、誰かを思い出す」
だったら、ひとりで旅をしないで、誰かと旅をすればいいじゃないか。
ごもっともかもしれない。
矛盾しているかもしれない。
ただ、新しい場所で、新しい人や景色に出会い、大切な人達のことを思う。
そんなちょっと素敵なことがあってもいいと思う。
なんて言えばいいのだろう。
過去と現在と未来の全部が、凛とした形でぎゅっと繋がるような感覚だ。
そんな宇宙からのプレゼントのようなものが、ひとり旅において受け取る、最も素敵な贈り物のひとつだと思う。
YS
