9ヶ月間、22ヶ国を旅した。


「この旅の1番の思い出は?」


旅の終盤に出会った人達によく聞かれた。

振り返る度、頭の中を駆け巡る無数の思い出に追いつけない。


ヨルダンのペトラ遺跡は圧巻だった。

スペイン料理が大好きになった。

メキシコの穏やかでゆっくりと流れる時間は唯一無二だった。


ただ、壮大な景色や絶品料理はNo.1として、なんだかしっくりこない。


はっきりと分かったことがある。


何よりも「人」が好きだ。


きっと人生で最も心が動く瞬間は、

世界に存在する人々の優しさの形を発見した時だ。


それは大切な人達から愛情を受け取った時、仕事で関わる人達から何気ない気遣いを感じた時、旅先にて素敵でユニークな人達と話をしている時、映画の魅力的な登場人物に思わず感情移入をした時、本の著者が綴る素朴な想いに触れた時。


ただただ、興味のある国に赴き、何よりも「自分の目と心で」それらの国を見つめられたこと、感じられたこと、各地で世界中から集まる人達と交流できたことが、嬉しくて嬉しくてたまらなかった。


一歩足を踏み出す度に、当たり前が異なると気付かされる。

それらに飛び込み、感動したり、苦手意識を持ったり、それによって自分の「心のものさし」を測り直したり。


「当たり前」や「普通」なんて、きっとない。

人、国、文化、生き方、考え方、愛情の形。

1つじゃない。沢山いる、ある。

良い、悪いもない。

両方が複雑に混ざり合っているものだと思う。


毎日が新しさに包まれ、自分の心に彩りが添えられていく過程を毎日見つめることができた。


世界中で出会った人達との、

過ごした時間の断片は、僕の宝物だ。


そして、長かった旅とは、もうお別れだ。

でもきっと、別れは、新しい人生の始まりだ。


「長期の世界一周ひとり旅」という、

「人生史上最高の経験」で得た、

喜怒哀楽の全てを、全部全部抱きしめながら、これからを生きていこうと思う。




本ブログをお読み頂き、ありがとうございました。

この場が僕の旅の支えになっておりました。




YS