それでも、私が実家にきてから1週間たったころ、出ました。暴言アセアセ

暴言の内容はだいたい 
①父への不満
        好きでもない人と結婚した
        はっきり言ってお父さんはブス
        病気ばかりしている
②N庵へ行かなければならないことへの不満
        息子がいるのにどうして「養老院(N庵のこと)」に行かなければならないのか
(これは背後に結婚していない兄への不満があります)


の二つです。




ちょっとだけ認知症対応の本を読んで、
「本人に理解を求めても、理解を得ることは難しく、本人にいやな感情だけが残る」というようなことが書かれてあったように思うので、認知症対応としてはマズイ、ということは重々承知です。でも私はどうしても「どうしてそんなひどいことをいうのか」わけを本人に聞きたかった。


なので、なるべく感情的にならないように気をつけて率直に話をしました。

お母さん  :  お母さん、どうしてそんなひどいことを言うの?
おばあちゃん  :  本当のことだからしかたないやんね。
お母さん  本当のことなら、なんでも言っていいの?お母さんはお父さんのことがキライなの?
おばあちゃん  お父さんはよか人ばってん、お母さんは養女やったけん、おじいちゃんおばあちゃんが気に入った人と結婚せにゃならんかったとよ。

(確かに数年前(認知症と診断される前)から、なんども「ゆりちゃんはよかね、好きな人と結婚して」と言っていました。母の弟のお嫁さんにも「恋愛結婚でうらやましか」と言っていたそうです。母の中で、自分が好きな相手と結婚したかったという想いはあるらしいです。恋愛結婚でもいろいろな問題は起こりますけどねぶー)

おばあちゃん  見合い結婚やったとに貧乏でお父さんの家に仕送りさせられたとよ。節約させられて、共働きさせられて、家はローンで建てさせられたとよ。
お母さん   …共働きやローンはみんなやってることだよ。実家が貧乏なら協力するのは当たり前なんじゃないの?
おばあちゃん   だけど、見合い結婚なら条件のよかところにいくのが普通じゃなか?お母さんは養女やったけん、おばあちゃんが意地悪して貧乏なところにやったとよ。本当の娘なら娘の幸せば考えてよかところにやるやろうが。お母さんは養女やけん、ひがみ根性があるけん、そう思ってしまうとよ。



「お父さんはよか人ばってん…」という言葉が聴けましたにやり   
お母さんの暴言の本当の相手はおばあちゃんだったんだなあ…と思いました。
認知症の本で、物盗られ妄想などで泥棒扱いされるのは、実は本人が一番信頼している人なのだ、ということも読みました。

私の都合のよい解釈でいくと、
お母さんの人生の中の大きな悔いは、自分が養女で気を使って生きてきたこと。中でも結婚は好きな人としたかった。せめて見合い結婚ならもう少し裕福な家に嫁ぎたかった。その気持ちのぶつけどころがないため、安心してぶつけられるお父さんに暴言を放った。


お母さんの暴言はまったくひどいものですが、私は女性…というか女子として、好きな人と結婚したかった、できれば裕福な人と結婚しておしゃれな生活がしたかった、という気持ちはちょっぴり共感できました。