母、緊急入院2日目。 | ひとり娘の両親介護日記

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アラフィフひとり娘。3年間の両親自宅介護生活とその後を綴ります。

母が前日の夕方に入院。先生からは入院治療の目途は約2週間ですと

説明されました。面会は午後2時から4時までの間と決められていた

ので、午前中は仕事へ行き、午後お休みをもらって面会へ。

 

病室へ案内されると、母はベッドに横たわり朦朧としていました。

声をかけると私の顔を見て分かった様子。ただ話しかけてもあまり

反応はなく、しばらくするといつものように両手を上げて体勢を

変えて欲しいと訴えてきました。とりあえず向きを変える介助を

手伝ったけれど私にはやはりできず不機嫌そうな顔に。看護師さん

を呼んで体勢を変えてもらいました。点滴をしている手の甲には

血が滲んでいて、頻繁に手だけは動かすので見ていると本当痛々しい。

血が苦手な私は看護師さんに「血がすごく滲んでるけど大丈夫ですか?」

と聞くと「これくらい許容範囲。大丈夫よ。手を動かすのも運動だよね」

と。私が深刻・大袈裟なのだろうかと思ったけれど、手を頻繁に動かす

のはきっと苦しいのだろうなと。

 

体勢を変えてもらって、少し落ち着いた様子の母に「何か食べたいもの

ある?」と聞いてみた。朦朧とした目で母は「アイスクリーム」と。

アイスが本当に大好きで、いつも食べたがっていた母。こっそり持って

きて食べさせようかな、とも思った。それからしばらくして「柿の種」と。

少し前から施設の面会の時も「柿の種のしお味が出たらしいよ、食べたい」

と言ってた母。テレビのCMで知ったよう。一度スーパーで探してみたけれど、

その時のお店ではしお味の柿の種は売り切れだった。差し入れでこっそり

食べさせるものとしてはリスクもあるから「売り切れだったよ」と母に

伝えたことが。まだ覚えていて食べたかったのだろう。

 

その後はオムツ交換をするとのことで、私は一度病室の外で待つことに。

カーテンの向こうで母が「痛い~~!」と何度か叫んでいた。その声を

聞くのが辛かった。交換が終わり病室へ再度案内された。相変わらず母の

目は虚ろ。話しかけても答えてくれることはなく眠たいのか目を閉じ始める。

「また来るね!」と最後に声をかけると、痛々しい血の滲んだ細い手を上げて

じゃあねとしてくれた。

 

どうなるのだろう。次はアイスクリームならこっそり食べさせられるかな

なんて思いながら病院を後にした。