母からの突然の着信は恐怖でしかない。早朝だったり、平日の昼間だったり。
仕事中だと出られない事があるので、折り返し私が電話をする。そうなると
だいたい「もういいわ」と言って切られる。着信があってすぐに出られた時
は、かなり感情的になっていることが多く「ここはいつ出られるの!!」や
「ここに居るなら死んだ方がマシ!」なんて事も。「そうなると私、仕事
行けなくなるんよねぇ…」と困った感じで話すと「もういいわ!!!」と
怒って一方的に切れてしまう。その後は私はひとりモヤモヤ…。
施設の部屋が2人部屋というのも気に入らないらしい。家具で仕切られて
いるので、お互いの姿は全く見えない状態だけれども、母も同室の人も
テレビを爆音で聞いているので、お互いのことが気になってイライラして
いるよう。会話をしたことも、名前さえもしらないらしい。特養では
デイサービスもないから、同室の人や他の入所者の人との交流はほぼない
状態。母はイライラしているから、おそらく声をかけられても拒否している
よう。嫌だと思ったら、完全に受け入れようとしない性格なので。
施設の人から話があり、入所してからは自力で歩こうという気持ちが
なくなったよう。手を持ってもらい、数メートル歩いたりしていたのに、
今は身体が痛いからと、完全に車椅子とベッドの上だけの生活とのこと。
リウマチで手指や足指、首の骨が完全に変形しているので、おそらくかなり
痛かったのだと思う。自宅は全くバリアフリーの造りではなかったので、
母も仕方なく手を引かれて歩いてたと思う。だからこそ元気に毎日デイに
通い、お友達とおしゃべり(愚痴?)して過ごしていたはず。それらは
母のためにもなっていたけれど、無理させていたのだな、とも思うと
申し訳ない気持ちにもなる。
ただ、動くことをやめてしまい、運動機能が劇的に落ちてしまっている。
ポータブルに座ってのトイレや、紙パンツも履くのをやめたらしい。
ベッドの上での紙おむつの交換になったと聞いた。
いろんな気持ちが込み上げる。こんな状態にさせてしまったとも思うし、
仕方なかったのだとも自分に言い聞かせてたりもする。
やはり施設に入ると身体は一気に衰えてしまうのだなと。本人の気持ちも
あると思うけれど、母はその気持ちも失ってしまっている。