2010年4月8日(木)
いつもは出勤時刻が遅い私は7時40分に起きるのですが、この日は兄を大声で何度も呼ぶ母の声で6時10分に目が覚めました。
いつも朝早く起きるのが苦手な兄だったので、私は「早く起きろよ・・・」と少し苛立ちながら思っていたのですが、母の呼ぶ声の様子がおかしいのと、嫌な予感がしたので、兄の部屋へ向かうと、兄の口から涎が垂れ体中痙攣していて、ベッドには嘔吐したあとがありました。
すぐ一階にいる父を呼び、二階へ戻ると、母は救急車を呼び、その10分後に救急車がきて母が付き添いながら、兄は病院に運ばれていきました。
私は9時半から5時半まで仕事をし、終わってすぐ病院に向かいました。
母と父と合流すると、二人は仕事を休み、兄に一日中付き添っていて病名は「小脳梗塞」とのことでした。
しかも、滅多に例をみない1000人に1人という病気で、血管乖離(けっかんかいり)といい血液の壁が剥がれ落ち、血液中に詰まるという梗塞でした。今後も梗塞は進む可能性もあり、脳に圧力がかかって脳幹を圧迫すれば呼吸困難に陥り生命に危険を伴うことにもなるそうで、そうなった時は手術で頭蓋骨をはずし、圧力を逃すこともあるとのことでした。
聞けば聞くほど、愕然としました。
兄に面会しにいくと、意識が無い状態で右半身が冷たく、全く動かない様子でした。左足や左手はまだ動かすことができるのか寝返りをうったような感じの体勢でした。
その場にいるのがつらかったので、5分程度で退室し、家に帰りました。
この日は家族内の会話もあまりなく静かなリビングでした。
4月9日(金)
仕事帰りに病院に寄り、駐車場から病院内にいる母親に電話をすると、「少し反応があって、今ちょっと疲れてるから」と言われ少し希望をもちつつ救急病棟に入るが、私が行った頃にはあまり反応をしめさず、昨日と大して変わっていないところを見て、少し落胆しました。
家に帰り、親は昨日からの兄の変化に希望をもったのか、少し会話が増えているところを見て、私自身も安心しました。
4月10日(土)
今日は仕事が休みなので12時頃に家族で病院に行きました。
昨日とあまり変化がなく、母も少々落ち込んだ様子でした。おじいちゃんも途中から来て、兄の様子を見るやいなや、涙を流しだし思わずもらい泣きしそうになりました。
誰でも元気な兄の姿を見ている人にとっては、あの状態の兄を初めて見るのは、かなりのショックに違いないはずなのです。
兄の好きなAqua Timezの曲をiPodで聴かせてみましたが、反応は無しでした。
一旦家に帰り18時頃にもう一度病院へ行きました。
母が兄の肩をたたきながら名前をよび、「わかる?」ときくと頷く反応が見られました。
それが私にとっても初めてみた反応だったのすごく驚きました。
担当看護師の方から、「グー、チョキ、パーしましたよ。」と言われ、同じように「グーは?」「チョキは?」と問いかけましたが、反応はありませんでした。
意識が強く表れるときと、遠のくときとあるようです。
ですが、兄のよく遊ぶ友人からのメールの話をすると、名前に少し反応が見られました。
意識の中で気にかけているのかなあ・・・と思います。
ありがたいのは、兄の友人達から入るひっきりなしのメールや電話で、その都度、母や私が返信したり電話にでたりしているのですが兄の友人の多さには、改めて驚かされます。
早く兄が、意識を戻し友人達と楽しく会話できることを心から待ち望んでいます。
4月11日(日)
今日も休日なので11時頃に家族とおじいちゃんおばあちゃんと面会に行きました。
やはり夕方より朝は反応が良くないようで昨日の朝とあまり反応は変わらず、「わかる?」ときくと、頷く程度です。
おばあちゃんが今日が初めての面会だったので、他人に迷惑がかからないように、おいおい泣かないように釘をさしておいたので、父と一緒に面会をし、なんとか持ちこたえたようです。(笑)
それから看護師さんから聞いたのですが、昨夜友人がお見舞いに駆けつけてくれたようですが、面会制限により家族のみの面会となっており、看護師さんの方から面会をお断りしたそうで申し訳なく思いました。
忙しい中わざわざ兄に会いにきてもらってありがとうございました。
必ず、兄に伝えたいと思います!!
夕方に行くと、朝よりはだいぶ反応が見られました。
父、母、私と順番に目で追ったり、左足指を動かしたり、グーチョキパーも、普通通りすばやくできていて、驚きました。
Aqua Timezの曲をまた聴かせて、「聴こえる?」と母が聞くと何度も頷きました。「他の曲聴く?」と聞くと首を振り、iPodを目の前で動かし、見えるか問うと、頷きました。
友人からたくさんメールや電話が入っていて、「早く自分でメールうたなきゃね。」というと頷いていて、昨日や今朝から比べて反応が良くなりつつあるので、明日からは仕事に行きだすので夕方にしか面会はできなくなりますが、明日は今日よりも意識が戻ることを楽しみにしたいと思います。