山梨県を流れる川のそばで40歳の女性の遺体が見つかりました。遺体を遺棄したとして逮捕されたのが、女性と同じ職場に勤める35歳の男です。女性は「男につきまとわれている」と、職場に相談していたことがわかりました。



青年会議所の集まりで撮影された写真に写るのは2日、死体遺棄の疑いで逮捕された小棹将太容疑者(35)です。知人からは「みんなに愛されるキャラクター」と評されていました。

警察によると、小棹容疑者は、先月30日ごろ、同じ職場で働く同僚女性(40)の遺体を遺棄した疑いがもたれています。女性が見つかったのは、職場から約40キロ離れた山梨・身延町。町を流れる湯沢川の近くで、女性は遺体の状態で見つかりました。

「死体遺棄事件のあった身延町の現場です。現在、警察による捜査が進められています」

規制線の中には多くの捜査員の姿が。橋のあたりを鑑識が入念に調べる様子も。事件が発覚したきっかけは、女性の家族からの届け出でした。




4月30日、小棹容疑者と同じ職場に出勤していたという女性。ただ、その日の夜には連絡が取れなくなり、女性の家族が5月1日、警察に行方不明者届を出していました。

届け出を受けて、警察が関係先を捜査したところ、小棹容疑者が浮上。任意同行を求めると関与を認め、小棹容疑者とともに現場に行くと、寝袋のようなものに包まれた状態の女性の遺体が見つかったということです。その後、逮捕された小棹容疑者。警察の調べに対し、「間違いありません」と容疑を認めているということです。

女性との間に一体何があったのでしょうか。小棹容疑者と女性は、ともに山梨県の農業信用基金協会に勤務。2人は同僚の関係でした。



事件を受けて2人の勤務先は…

農業信用基金協会
「職員による重大事件が発生してしまい、大変遺憾に思っております。警察の捜査に全面的に協力をしてまいる所存であります」

ただ、捜査関係者によると、女性は職場に「(小棹容疑者に)つきまとわれている」と相談をしていたといいます。また小棹容疑者も調べに対し、つきまといについて認めるような趣旨の供述をしているということです。さらに…

「小棹容疑者は任意同行を求められた、きのうも勤務していたということです」



女性の遺体が発見された1日も、通常通り勤務をしていたという小棹容疑者。小棹容疑者を知る人は…

小棹容疑者を知る人
「いつもニコニコしていて、みんなのムードメーカーのような存在。怒ったところも見たことない、本当に朗らかな性格の方です。どちらかというと、みんなに愛されるキャラクターの人」

トラブルや悩みを聞いたこともなく、去年会話をした際も、異変は感じなかったといいます。

小棹容疑者を知る人
「たわいもない話しかしていないが、特に変わった様子はなかった。『元気?』『元気ですよ』とか、本当にたわいもない話しかしない」

一方で、突然の知らせに被害女性を知る人からは…

被害女性を知る人
「ただただ驚きで信じられません。まじめでおっとりした感じで、とてもいい子でしたけどね。ご家族の気持ちを思うと切なくなりますよね」

女性の遺族は2日─

「私たち家族は大切な娘を思いがけない出来事で失い、ただただ悲しい気持ちです。この状況を受け止めることは難しく混乱の中にいます」

警察は事件の背景に、職場に相談されたことなどへの逆恨みがあったとみて詳しく調べるとともに、殺害への関与についても慎重に調べることにしています。