年収7000万円もあったのに…「大谷翔平の相棒」水原一平通訳が、ギャンブルをやめられなかった「深刻なワケ」


 米大リーグのロサンゼルス・ドジャースは20日、違法賭博への関与が浮上した大谷翔平の通訳・水原一平氏の解雇を発表した。


 米スポーツメディアESPNの報道によると、水原氏は違法スポーツ賭博に関与し、450万ドル(約6億8000万円)の負債を抱えていたという。大谷の口座からブックメーカーの口座に50万ドル(約7500万円)の送金が2度確認されたとのことで、大谷の代理人が「大規模な窃盗」に遭ったとして、水原氏を当局に告発している。


 2017年、大谷のロサンゼルス・エンゼルスへの移籍を機に専属通訳となった水原氏は、大谷の“相棒”として野球ファンに愛される存在だった。そんな同氏が20日の試合後、ドジャースの選手やスタッフの前で、「私はギャンブル依存症だ」と告白したとの報道に、驚いた人も多かったはずだ。


“ほどほど”を拒む、ギャンブル依存症者の考え方


 なぜ、水原氏はこれほど事が大きくなる前にギャンブルから抜けられなかったのか。


 精神科医の春日武彦氏はギャンブル依存症者が陥る思考について、次のように話す。


 「患者の多くが“ほどほど”というものを拒む、といった精神です。“ほどほど”で儲けた、“ほどほど”で止める、といったことがなかなかできず、それではメリハリがないと感じてしまう。


 大儲け、大勝利、劇的展開といったものがなければ充実感を得られないという状態です。そして、負けが重なると、今度は大逆転を目指そうとする。本人はその極端さにロマンと生きる手応えを感じていることもあります」


年収7000万円でも満足できなかったのか?


 だが、水原氏の年収は7000万円以上あったとの報道もあり、金に困っているとは到底思えない。一般人からしたら恵まれた待遇で仕事をしている彼にも、“ほどほど”は難しいものなのだろうか。


 「水原氏の周囲には、もっと稼いでいる人がいくらでもいます。もしかすると、『大谷選手だって、自分が一役買っているからこそ活躍できているのだ』と、傲慢かつ誇大的になり、感覚がマヒしていった可能性もあるでしょう。


 もし彼にそのような思いがあれば、これもまた、“ほどほど”を拒み、身の丈を知ることができないギャンブル依存の症状と言えるかもしれません」


 つまり、高年収がギャンブル依存の抑止にはならないということだ。


 「金額で満足するというよりも、どんどん金額が増えていくといった加速度に醍醐味を感じるのでしょうね」


人間不信が大谷に大きなダメージを与える可能性も…


 水原氏の今後の行方も気になるところだが、世間の関心の多くは大谷に集まっているだろう。公私ともにサポートを受けてきた相棒を突然失った大谷の今後を心配する声も少なくない。


 「今回の件は、下手をすると他人を信じられなくなるといった心性に、大谷選手を追い込みかねない出来事です。野球はチームとの信頼感があってこそ成立するわけですから、人間不信は大きなダメージとなる心配は、もちろんありますね。


 でも、しっかりした伴侶ができたばかりですし、メジャーにわたってからも色々と大変なことがあったでしょう。なので、そこを乗り越えてきた彼は大丈夫だと思います」


 あまりにも衝撃的だった今回の報道。ESPNの90分間インタビューで「すべて私の責任で、私がしたこと」と語ったという水原氏だが、事件の全容解明には至っていない。1日も早く、大谷が野球に専念できる日を願うばかりだ。


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 つづく記事『「ギャンブルとは結びつかない…」。水原一平氏の解雇問題、「かつての同僚」が語った「性格と仕事ぶり」』では、水原氏をよく知る人物が明かす彼の実像について、迫っています。