依頼者から預かった200万円を横領したとして、警視庁は東京弁護士会に所属する弁護士の寺内従道容疑者(83)=宇都宮市=を業務上横領の疑いで逮捕し、29日に発表した。容疑を認めているという。

 蔵前署によると、寺内容疑者は2019年1月下旬ごろ、自身が代表取締役を務める会社の口座に200万円を振り込んで横領した疑いがある。200万円は、依頼者である東京都台東区の80代男性ら3人から17年6月下旬ごろ、不動産売却の保証金として預かった小切手1200万円を換金した一部だったという。

 寺内容疑者の会社はホタテガイの貝殻を使った抗菌剤などを販売しており、横領について「商品が売れず、運営資金に困っていた」と供述しているという。署は逮捕容疑も含め、1200万円全額を横領した可能性があるとみている。

 東京弁護士会は今回の逮捕容疑などを理由に、同容疑者を昨年5月から1年間の業務停止の懲戒処分としていた。