大阪府の新型コロナウイルス無料検査事業で使った抗原検査キットの仕入れ単価を水増しし、府から補助金約9億円をだまし取ったとして、府警は14日、岐阜県瑞穂市議の松野貴志容疑者(49)=瑞穂市=ら男女5人を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。

 ほかに逮捕されたのは、薬局運営会社「StarSeed」(大阪市)会長の中垣裕資容疑者(37)=大阪市阿倍野区=ら。松野容疑者は医薬品販売会社「新日本薬品」(岐阜市)の代表取締役も務めており、「StarSeed」に抗原検査キットを卸売りしていたという。

 発表によると、5人は共謀して2022年4~8月、キットの仕入れ単価(1210円)を286~1782円水増しした虚偽の実績報告書などを府に提出。約1億400万円を過大請求し、補助金約9億円を詐取した疑いがある。

 府警は松野容疑者が実績報告書の作成に関わったとみており、詐取した補助金の一部を受け取っていた可能性もあるとみて調べる。