会社員装い満員電車で痴漢“50回”繰り返した男逮捕 SNSに「痴漢チャンスデー」の書き込み増加 受験生狙う卑劣行為…対策は?
京成本線で女子高校生にわいせつ行為をした疑いで、飲食店従業員の峯岸和広容疑者(49)が逮捕された。峯岸容疑者はサラリーマンを装い、数年間にわたり朝の満員電車で痴漢行為を繰り返していたとみられている。目撃者に一度捕まったが逃走、その後防犯カメラで特定され逮捕につながった。
目撃者に手をつかまれるも逃走 4カ月後に逮捕
サラリーマンを装い、朝の満員電車でわいせつな行為を繰り返していたとみられる男が逮捕された。
飲食店従業員の峯岸和広容疑者(49)は2023年9月、京成本線の電車内で女子高校生の下半身を触るなどのわいせつな行為をした疑いが持たれている。
犯行直後、峯岸容疑者は目撃者に手を捕まれたものの、その場から逃走していたが、防犯カメラ捜査などで特定に至った。
峯岸容疑者は、シャツやスラックスを着てサラリーマンを装い、朝の満員電車に乗って痴漢行為を数年間繰り返していたとみられている。
このニュースについて、社会部の中川真理子警視庁キャップがお伝えする。
峯岸容疑者は供述で「50回くらいやった。仕事のストレス解消のためだった」と話している。
この卑劣な痴漢行為、都内の電車の中では2023年で500件以上検挙されたということだが、特に気をつけなければいけないとされる時期がある。それが、1月以降の「受験シーズン」だ。
1月13日、14日には大学入学共通テストが実施されるが、数年前のこの時期から、SNSで「痴漢チャンスデー」という悪質な書き込みが急増した。
理由は「受験生は急いでいるので、痴漢の被害にあっても声を上げないだろう」と臆測が広がったからだという。
大一番に臨む受験生の気持ちを逆手に取った卑劣な書き込みだ。実際に被害は増えたのだろうか。
1月以降に増えたというデータは今のところないが、警視庁は2023年の受験シーズンから、パトロールを強化するなど対策を始めている。
痴漢チャンスなどと書き込む人たちは「受験生は急いでいるから被害の声を上げないだろう」と思っているのではないか、ということについて聞いたところ、警視庁の担当者は「痴漢の被害に遭ったり目撃した場合は、できるだけその場で声をあげてほしいが、もし、どうしても急いでいる場合は、事後でもいいから声をあげてほしい」と話していた。
実際、峯岸容疑者は一度は目撃者に手をつかまれたものの、その場から逃げてしまった。しかし、防犯カメラ捜査の結果、4カ月後に逮捕できた。
私たちの周りにはまだまだ痴漢常習犯が潜んでいて、たとえ事後でも、声をあげれば検挙につながるということだ。
防犯アプリ「デジポリス」の活用を
私たちが、電車内で痴漢被害を目撃してしまった場合はどうすればいいのか。
警視庁は「デジポリス」という防犯アプリの活用を呼びかけている。
このアプリでは、目撃者は被害者に「ちかんされていませんか?」という画面を見せることができ、被害者は「痴漢です、助けてください」という画面を周りの人に見せることができる。さらに、「やめてください」という音声も出るので、声が出せない場合も活用できる。
実際に、このアプリがきっかけで検挙に至った例もあるといい、周囲の協力も非常に大事だと思われる。
また痴漢行為を抑止するために、電車内の防犯カメラ設置の推進や学校でデジポリスの使い方を教えるなど、いざという時に実践できるように取り組んでおくことも大切だ。