「骨はバラバラになって…」「近隣住民とタバコトラブル」山梨18歳女性遺棄 逮捕された30歳男は「妻と子供は姿を消した」















「朝9時ごろに白い手袋をしたスーツ姿の刑事たちが10人ぐらいぞろぞろと男の家に入っていきました。挨拶をしても無視するし不愛想な人でしたが、まさかこんな事件を起こすとまでは夢にも思いませんでした」(堀俊哉容疑者の近隣住民)

【画像】亡くなった18歳の野本結梨香さん
 男が住む千葉県八千代市から約90km離れた山梨県北都留郡の山林の奥深くから、変わり果てた野本結梨香さん(18)の遺体が見つかったのは11月27日のことだった。

「何かわからない物体を車で運搬した」

 警視庁は野本さんの遺体を遺棄したとして、遺体発見の翌日28日、会社員の堀容疑者(30)を逮捕した。野本さんは今年6月7日に自宅を出たまま行方がわからなくなっており、11月4日に行方不明届が出されていた。警視庁捜査一課が野本さんの周囲から話を聞くなかで堀容疑者が浮上し、任意で話を聞くと「今年6月上旬ごろに何かわからない物体を車で運搬した」と説明し、運搬先を捜索した結果、野本さんの遺体が見つかった。遺体は一部白骨化しており、着衣や所持品は見つかっていないという。

野本さんに成りすましていた可能性も


「野本さんの遺体はもはや原型をとどめておらず、十数個くらいのバラバラになった骨の状態で見つかりました。野本さんはそれまで長期で突然家を出ることはなかったと聞いています。6月に自宅を出た後も家族や知人が通信アプリでメッセージを送ると、10月下旬までは既読になったり返信があったりしたようですが、その後、既読すらつかなくなった。堀容疑者らが野本さんの携帯電話を操作し、野本さんに成りすまし生きていると思わせた可能性も高い。

 また、堀容疑者が使用した車は、野本さんの交際相手である31歳の男が知人に借りたものだったことが判明した。この車の後部座席からは野本さんのものと思われる血痕も見つかりました。実は、この交際相手の男は既に中古車販売店から車を借りたまま横領した容疑で逮捕されており、事件の全貌を知る可能性が高いとみて、警察は調べを進めています」

 まだ18歳の女性を山中に遺棄するという無残な犯行だが、凶行に手を染めた堀容疑者はどのような人物だったのか。幼き日の堀容疑者を知る知人が語る。

「堀容疑者は背丈が高く、韓国人で貿易業を営むハンサムな父親と現在はスナックで働く母親の間に生まれたと聞きました。一家で大阪から東京に引っ越してきたのは30年ほど前でしょうか。父親は拠点が韓国なのであまり一緒に過ごすことはなかったようですが、彼には男と女のきょうだいが2人いて、子供の頃は一家5人仲良く暮らしていましたよ。母親が、自転車のチャイルドシートに子供を乗せて『これから保育園にいくんです!』と楽しげだったのを覚えています。女の子は中学生の頃に綺麗なワンピースを着て可愛かったですし、弟もお母さんと『彼女にプレゼントする携帯のケースを買うんだ』だといって駅ビルの商業施設にいるのを見ました。家族仲がいいんだなぁと羨ましく思っていました」

 ただ大人になってからは、堀容疑者は近隣住民とトラブルになることもあったという。

「いつもハチマキにダボダボのズボンを穿いて…」


「堀容疑者も10年前くらいまで親と住んでいたと思いますが、その頃は社会人になりたてで、いつもハチマキにダボダボのズボンを穿いて職人みたいな仕事をしているようでした。3人のお子さんのうち堀容疑者だけはなんとなく不愛想で、会釈も返してくれない。堀容疑者をのぞく2人はマジメそうで、娘さんは結婚して家を出ていきました。ある時、マンションの踊り場の窓を開けてタバコを吸っているのが一度問題になったこともあります。本人は『ベランダで吸ったら上の階の住民に煙くさいと言われたから』と釈明していたようですが……。堀容疑者が今実家に帰るのは年に1度くらいだと思います。今はお母さんが『チョコ』というミックスの茶色の小型犬を可愛がって散歩する姿をたまに見るくらいで、人の出入りはほとんどありません」(前出の知人)

 堀容疑者本人のものと思われるFacebookアカウントでは実家で暮らしていた際、趣味である多数の車の写真と共に、

《最近また働く意味がわかんなくなってきたなー( ‘・Д・) 誰かあそぼー、今日( ‘・Д・) 笑》

《学校ちゃんと行ってりゃよかったなー(′Д‵)いーなー学校(′Д‵)大学とかマジ楽しそう(′Д‵))

 などと時間を持て余すような言葉が複数投稿されていた。

 そんな堀容疑者も実家暮らしを終え、結婚。千葉県八千代市のアパートに2年ほど前から妻と子供3人で暮らし始め、賑やかな家庭を築いていたのだという。ただ、堀容疑者のこうした周囲との接触を避けるようなふるまいは、今も続いていた。近隣住民の男性が語る。

「堀容疑者には小学生くらいの女の子と幼稚園くらいの男の子、それにまだ乳児の3人の子供がいました。堀容疑者の奥さんは性格が明るい人で、よく子供たちと手をつないで車に乗り、学校に送り迎えにいってました。夏には家の庭にプールを作って遊んだり、バスケットボールで子供たちが遊ぶ姿を見ました。ただ不思議なことに、堀容疑者が全く家族4人と出かけるところを見たことがなくて……。いつも一人で夜中にタバコを吸いながら外で電話していました。何があったのかはわかりませんが、今年の夏からは妻も子供も見かけることが全くなくなり、離婚でもしたのかなと思っていました」

野本さんの親族は「ショックで今は何も言えない」


 一方、亡くなった野本さんの近隣住民によると、彼女の祖父がハンコ屋を営み、祖母と大手化粧品会社で働くなど堅実に生活を送っていたようだ。

「お父さんは家の玄関の軒先にナスやトマトを植えたりと家庭菜園が趣味で娘の面倒もよく見ていたと思いますよ。結梨香ちゃんは小学生の頃に『飴ちゃんあげる』と渡したら、『ありがとう』と嬉しそうにお礼を言ってくれた可愛らしい姿を覚えています」(野本さんの近隣住民)

 取材班が野本さんの親族に話を聞くと、目に涙をためて、「本当にショックで今は何も言えず、ごめんなさい」と繰り返すばかりだった。

 一回りもの歳の差がある堀容疑者と野本さん、そして交際相手を結び付ける接点は何だったのか。警視庁は慎重に事件の経緯を調べている。