たまにはこういうのも良い・・・・・いとおかし
フランス映画・1958年 ぼくの伯父さん / Mon Oncle ★3つ
自由気ままに生きるユロ伯父さん
第31回 (米)アカデミー賞外国語映画賞受賞
監督:ジャック・タチ(1907年10月9日~1982年11月4日)
脚本:ジャック・タチ
音楽:アラン・ロマン
キャスト
ユロ氏:ジャック・タチ
終始ほほ笑みながら観ていられる、質の高いコメディだ・・・楽しく文明批判チクリでね
台詞なく(音楽はありますが)ジャックタチのお得意とするところのパントマイム風で綴ります。
細部に至るまで、画面で全てが語られる。
風刺が効いていて、
子供の目線からは、何が大切かを語ってくれる。
大人の目線からは、ハイソで超モダンハイテク住まいの滑稽さを、揶揄している
・・・・お肉を焼いているのだけれど(もちろんIHクッキングヒ―ターよ)
お肉をひっくり返すのにも、電気仕掛けなのだ・・・・・・・自動でポンッと肉がひっくり返る
ここまでやるかと、充分愉快!!
そんな住まいでは、家の中も庭を歩く時も、人が歩く音を「カチカチ、コツコツ」と強調する。
それは明らかに‘温かみ’とは対極の、尖がった感じの表現なのでしょう、
その音も、「こんな家がいいと思うかい?」と、可笑しみも込めて言っているように聞こえるの。
ジェラール(ユロ伯父さんの甥っ子)の父親は工場の社長で裕福。過保護とハイテク住まいの生活の中で、息の詰まる思いをしているジェラールは、ユロ伯父さんが大好きなのだ
対照的に、ユロ伯父さんの住んでいるアパートがなんとも良いの。
そのアパートが引きで映った時、ひと目で惹かれた。「あ~、温かくて、どこか懐かしい~」と。
そこには、ほのぼのとしたパリの下町の風景があった
自宅である三階まで上るのも、「ひとひねりあり」笑わせてくれる
監督・脚本・主演を務めるジャック・タチは、パントマイムコメディアン出身から、人気コメディ作家になって、自分のやりたいことを明確に描けたのではないかしら。
半分コントのような、超ハイテク住宅のアイデアにしても、彼の才能、感性、あなどれません。
よく知っている音楽が流れ、「この映画で流れた音楽だったのね」と感動
いかにも おフランスな曲も心地よい
私の映画備忘録【2011年05月】より
2021.6.12 写真&下記追加
★予告編みつけた!便利な時代ね youtubeを貼り付けてみます。いいのかしら?
まだ本作をごらんになっていない方は、これで雰囲気を味わってね~、なかなか オサレよ。
★こちらはサントラ 音楽はアラン・ロマン(仏) ジャズ作曲家
★追記
ジャック・タチの「ぼくの伯父さんの休暇 (仏 1953」も、映画館で観る機会がありました。
そちらも、やはりジャック・タチの監督・脚本・主演で、フランスの高級リゾート地の浜辺にバカンスでやってきたユロ氏が、次々に騒動を起こすドタバタコメディという感じです。
私は、「ぼくの伯父さん(1958」の方が、面白かったな。
おわり