都市対抗予選第一代表決定トーナメント初戦、西濃運輸に5対6と逆転サヨナラ負けした試合を振り返る。
1回表JR先頭三村が四球を選び、一死から3番平野の遊ゴロがトンネルを誘い1・3塁。4番中田がしぶとく1・2塁間を抜き、1対0と先制。
3回表JR1番三村から始まる攻撃。三村、吉田有連続安打、平野四球で無死満塁。中田が確実に右犠飛で2対0。更に1・3塁から5番堀尾の三塁ベース際を抜けるツーベースで3対0。二死2・3塁から8番牛場の左前2点タイムリーで5対0と大きくリード。
3回で西濃先発奥投手（新人）をマウンドからおろし、池田、石田投手を引き出し、コールドゲームもありかと思わせる序盤の出だしだったが、4回から登板した山下、7回から森岡に抑えこまれ追加点をとることができなかった。特に森岡には変化球主体の投球に3回1安打2四球とチャンスを作れず西濃に流れを渡してしまった。
3回ウラ5点をリードされた西濃は8番宮田（新人）が左安打で出塁、9番福山が送りバント、一死1・3塁から2番北野が中犠飛で1点を返す。0対5から送りバントをした西濃に終盤までに必ず追いつく気迫と執念を感じた。
JR先発辻井投手は最速146キロのストレートを軸に西濃打線を攻め続けたが、1点を返された後の4回二死2・3塁から宮田に左前タイムリーを打たれ5対2。続く9番福山の打球は左翼へ大飛球となるもJR山本（新人）が後走しフェンスにぶつかりながらキャッチ、最小失点で凌いだ。
5回西濃1番から四球、三遊間安打、投前送りバントで一死2・3塁となったところで柳橋にマウントを譲った。
柳橋も最速146キロストレートで押したが、4番小谷（新人）に強烈な一ゴロを打たれるも一塁中田が逆シングルで好捕、バックホームはできず3塁ランナーが生還、5対3。
6回から古田が登板。調整不足が心配されたが切れのある142キロストレートに130キロ前後の変化を交え、ランナーを出しながらも要所を締めた。
8回ウラ西濃先頭小谷が放った右ライナーはあわやホームランかという鋭い当たりだったが、JR右翼三村はフェンスにぶつかりながらも一度握ったボールを離さなかった。5番にツーベース、6番に四球を与え一死1・2塁となったところで古田から川本に継投。
逃げ切りを図るJRに対し、西濃7番城野はしぶとく遊撃後方にテキサス安打、5対4。8番代打柏木のゴロはセンターに抜けそうなところ二塁吉田有が回り込んで好捕、遊撃佐々木にトスして一塁送球ダブルプレーと思った瞬間、吉田有自ら二塁ベースを踏み一塁へ送球したがハーフバウンドとなり一塁中田が胸で送球を止めたが打者走者セーフ、この間に三走ホームインして5対5の同点となる。
これ以上点をやれないJR川本は140キロ中盤のストレートでねじ伏せようと西濃に立ち向かった。ところが9回一死から2番北野右ツーベース、3番野崎に左ヒットを許し1・3塁、一打サヨナラのピンチ。前進守備のバックホーム体制をとるJRに対し、二塁ガラ空きながらあえて盗塁せずにバッターに託す西濃。
4番小谷はいい当たりも一塁中田の正面のゴロ、三走は動けず二死2・3塁。
5番原田に対峙した川本は2ボール2ストライクから仕留めにかかったが、外角のボールに原田が反応、左翼線ライン上にポトリと落とすサヨナラヒットを放ちゲームセット。
しばらく立ち上がれない川本と左翼堀尾だった。
5対3でJRリードの6回の攻防では双方ランナーを出しながら送りバントを失敗した両チーム。試合の流れがどう変わるか分からない状況の中、終盤をきっちり守り切り、ミートに徹した西濃に軍配が上がった。