宮島にある市営国民宿舎「杜の宿」は繰越欠損が8億円を超えました。
 事業会計として、減価償却費分が吸収できない事が主な要因です。
 そのような中、市は空調の設備更新などで約2億円の改修工事を計画していました。
 市は、空調改修計画を中断し今後の在り方を検討したものの、指定管理者制度に移行し市の施設のまま存続するとの結論を示しました。
 そのことから、私は問題の先送りとして、3月議会に出された「杜の宿」予算案に反対討論を行い、採決では9名の議員が反対票を投じた状況です。
 反対の理由は、財政がひっ迫する現状下において、赤字の宿泊施設を市がすべき事業でないと考えるからです。

 さて、宮島の宿泊客の動向について調べてみました。
国民宿舎「杜の宿」がオープンした平成5年度の宮島観光客は272万人、宿泊者数は44万人でした。
 直近で資料が揃う平成22年度の観光客数は342万人、宿泊者数は約34万人です。
 市営旅館オープン当時と比べ、観光客数は70万人増加しましたが宿泊者数は10万人も減少しました。

 23軒あった旅館は20軒になり、宿泊収容定員は当時と比べ約600人減少しています。 
  しかし、それでも全体の宿泊定員稼働率は41%から39%に悪化している状況です。

 市営旅館を除く19軒の民間旅館が、この17年間、厳しい経営を強いられていると聞いていますが、算出した数値から裏付けられます。
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ただし、旅館の苦戦は宮島に限った話ではなく、全国的な傾向の様です。

 今年で19年目を迎える市営旅館「杜の宿」このように、社会のニーズが変化し、民間旅館が稼働率悪化に苦しんでいる中、市民の基金を使い大改修し、指定管理者制度を導入してまで、市営旅館を続ける意義があるのかどうか、宮島では民業圧迫との声もあり得心できません。 
 また、一般的には、定員稼働率の目標は50%前後に置くようです。

 市営旅館を廃止すれば、民間旅館の定員稼働率は43%に上昇します。
 むしろ市は稼働率上昇を支援するため、本市の議会や行政に訪れる視察団は、廿日市市内に宿泊することを条件にしてはどうでしょうか。

 ニセコ町や武雄市などが行っています。
  
 さて、今議会では、一般質問の場で新たに2名の議員が「問題の先送り」として指定管理者制度の導入に反対の意思表示をされました。 
 今後、執行部から出されるであろう指定管理移行の議案について・・・
 議員の数は29名、議会も執行部も緊迫してきました。

    
  廿日市市議会は変わり始めたと思います。