2013年の4月16日にアメリカ のホワイトハウス 近くの郵便物を仕分ける施設で、オバマ大統領宛の郵便物の中にリシンが混入されていることをシークレットサービスが発見したそうです。他の上院議員にも送られたが未然に防がれたそうです。この事件の前日に起きたボストン・マラソン同時爆発テロ事件との関連性は薄いということです。


リシン」って私は初めて耳にする言葉です。そこでインターネットで調べてみました。


リシン(Ricin)は、トウゴマ(ヒマ)の種子から抽出されるタンパク質である。ヒマの種子に 毒性があることは古くから知られていたが、1888年にエストニアのスティルマーク(en) が種子から有毒なタンパク質を分離し、リシンと名付けた。   (Wikipediaより)


 どうやら、リシン(ricin)とは、ヒマの実から得られる毒素のようです。リシンは、液体・結晶・粉末といった様々な形状のものがあるそうです。 ヒマの実は、世界中のどこでも入手できるらしく、ヒマの実からのリシンの抽出はそれほど難しいことではなく、テロリストがリシンを生物兵器として生産することも難しいことではないと考えられています。 現に、世界中でヒマシ油の生産のために年間で100万トンのヒマの実が処理されています。この処理で生じるクズの重量の5%がリシンだそうです。


 ヒト用のワクチン(予防接種)や抗毒素はなく、リシン毒素で汚染された場合は、水と石鹸とでよく洗い流すのが良いとされています。0.1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液でリシン毒素は不活化するそうです。 また、リシン毒素は、充分な加熱によっても不活化することができ、pH 7.8 では、80度で10分、50度では1時間の加熱で不活化することができるとされています。



オバマ大統領6プラス文字


※ リシンに関する事件


●1978年9月7日、ロンドンでブルガリア出身の作家ゲオルギー・マルコフが倒れ、4日後に死亡した。同   年の8月26日にはパリで同じくブルガリア出身のウラジミール・コストフが何者かに傘の先端で突かれ、直ちに病院で検査した結果、約1mmの白金-イリジウム合金の弾丸が発見され、中にはリシンが入っていた。その後マルコフの体内からも同種の弾丸が発見され、被害者2名とも共産政権だったブルガリアからの亡命者であることから、KGB およびブルガリア秘密警察 (STB)による犯行と考えられた。KGBは、傘に偽装した空気銃に仕込んだリシン入りの弾丸により暗殺を行ったのである。


●2003年の11月にワシントンD.C.のホワイトハウスに手紙に封入されたリシンが検出された。その手紙はホワイトハウスから離れた郵送物を扱う施設で発見され、大事にはいたらなかった。手紙は細かい粉末状の物質を含んでいて、その後のテストによってリシンと確認された。調査官によると危険性は低く、健康に被害を与えるとは思われないということである。この情報は、2004年2月3日に予備調査でアメリカ上院のビル・フリスト議員(当時の多数党院内総務)のオフィスの郵送物取扱室で同様の事件が発覚するまで公にされなかった。この事件によって健康に被害が及んだという人物は現れていない。また同事件によっていくつかの上院議員のオフィスが予備措置として閉鎖された。 (Wikipediaより)