厚生労働省健康局結核感染症課は、インドやパキスタンで増加している新型の多剤耐性菌の感染について注意を促す事務連絡を都道府県担当部局に示していました。さらに、日本国内で感染の疑いのある事例が発生した場合には、国立感染症研究所へ照会するよう呼びかけていました。


 今回、2012年11月に日本国内で初めて多剤耐性菌が検出されていたことが明らかになりました。その患者は60代の男性で東南アジアで頭部の手術を受けたあと、日本に帰国し千葉県内の病院に入院していたそうです。その患者の痰や便の中に多くの抗菌薬に耐性を示す肺炎桿菌や大腸菌が見つかったそうです。


その遺伝子を分析した結果、抗菌薬を強力に分解する「OXA48型」と呼ばれる菌であることがわかりました。健康な人には無害ですが、抵抗力が落ちた患者に感染すると、重い合併症を引き起こしたり、死亡に至らしめる怖い菌ということです。


 幸い、その男性は感染症を発病することもなく、怖い菌も検出されなくなったということです。しかし、病院内での感染の拡大を考えると、恐ろしい菌であることに間違いはないようです。