一年ほど前、某模型店でレイルロードの719系のエッチング側板が投げ売りされていた。10年くらい前までは、こういう側板だけ取り替えるタイプのエッチングキットもよく見かけたし、金属工作の入門用って部分もあったと思うけど、最近はすっかり見かけることも少なくなって、見かけるものもどれも高価だったりして、敷居高い。それに完成品が氾濫してる現在、わざわざこんな工作する人なんて、ほとんどいないのも仕方ないか。で、この719系のエッチングキットを、それも4両ぶんも、安かったからつい買ってしまった。
側板とドアの二枚張り合わせタイプ。瞬間接着剤で組めるとのことだが、敢えてハンダで作る。ハンダ付けすると、出来上がったときの強度が全然違うんよね。そして安かった理由=エッチング板が変色していた...。がんばってサビを落としたりして、側板を作って、前面や屋根や妻板はGMの211系用のを使ってつくる。このへんは説明書通り。ただし屋上はちょっと工夫した。
屋根周りは457系のものを使うように指定があるが、そのまま載せたら変なので、ちょっといじった。そのままだとパンタグラフがだいぶ前になってしまう。本当はちょっと違うけど、わかる範囲で交流機器類の配置もそれらしくして、まあ流用してお手軽につくるんだったら、こんなもんでしょ。動力は457系のものを使ったのだが、台車がネジで止めるタイプしかなかったので、仕方なく適当なネジを探してきて、ネジ止めとした。
動力車は中央の普通カラーのものに入ってるが、せっかくなので2両は磐越西線のあかべえカラーにしてみた。まあまあいい感じだと思う。この2編成、先頭車のカプラーに初めてTNカプラーを使ってみたのだが、予想外にいい感じでちょっと感動したw そりゃヒットするわけだ..。
続いて、問題のE721系。701系と共に、仙台近郊の東北本線や仙山線でよく見かける。安っぽい作りだし、座れないからあまり好きな電車ではないけれど...。 アンレールって会社の、鉄コレのバッタモノを入手。ネット上で散々酷評されてるから、どんなもんだろうと逆に興味が出てきて、つい買ってしまったわけだ。
ぼったりとしてる。床下が無塗装で安っぽい。そのくせクーラーは別塗装。しかも部品共通化してコストを下げたいのだろうか、妻板寄りの窓が全て無い。実車はトイレ部分と荷物置き場部分以外の二箇所、窓があるはずなのだが、ガラスだけ付属しててあとは「てめえで窓開けろ」仕様。決定的なのは、座高が高いこと。これは明らかに変。...、さあ改造するか。
塗装は全部落としてやり直し。製品は空港直通用の500番台だが、作例は普通に東北本線や常磐線で走ってる0番代にした。だからトイレ部分以外、3箇所に窓を開ける。裏側に申し訳程度にだが、ガイドラインがあるから助かる。ガラスがはまるようにうまく窓を開ける。
まあこんな具合です。ガラスは一枚足りなくなるので、こちらはプラ板から切り出したものをはめ込んでおいた。ついでに屋上機器も、入手できればKATOのパーツに交換したほうがいいんじゃないでしょうか。あとクハのドア横にあるルーバーは、不要なので削り落とす。
さて、問題なのは座高の高さ。特に鉄コレ動力をそのままはめたら、おそろしく座高が高くなる。前面下部とスカートとの間に、数ミリ!もの隙間ができてしまう。クモハは、鉄コレ動力のシャーシと干渉する部分の、窓ガラスにあるリブを削る。また、スカートは床板ではなく全面下部に直接つける。目の錯覚、明らかなごまかしだけど、これが一番。クハのほうは、こちらは床板のほうも削る。シャーシ上部がでこぼこしているのだが、これを全部削って一番低い部分に合わせて、さらにガラス裏のリブも一部削って、なんとか床板の取り付け位置を上げるわけ。
だいぶがんばった。だいぶ座高は低くなった。これでもまだだいぶ座高が高いけど、これ以上やったら台車と車体下部が干渉したりしてしまうので、諦める。まあなんだろうな、車体の出来そのものは(窓が一部省略されてるのを除いて)けっこうよくできてるなとは思ったけれど、座高が高すぎるところとか、いろいろ問題もある。こういうところが、ネットの上で叩かれる原因なんだと思う。これはまだいいとしても、この次に出た名鉄の北アルプスのは最悪らしいからな。また、コスト削減を意識してる割には高価(鉄コレの倍近く)だったりすることもあるんだろうな。まあでもこういうマニアック(というほどマイナーでもないけど)な車両を出してくれるのはいいなって思うし、なんでもかんでも完成品というのより、私はこういうちょっと調製しないとダメなののほうがよかったりするw
さて、次回の運転会は東北の車両となってるが、これらはうちとこからの主力車両として、仙台地下鉄の1000系共々、早く走らせたいものです。