今を去ること3年くらい前。日本橋の某店で買った(と思う)のが、レベルの戦艦アリゾナのプラモデルだった(写真)。
アメリカ海軍の戦艦アリゾナと同型艦ペンシルバニアは、英語の説明書をちょっと読んでみたら1916年竣工、その後カゴマストを三脚マストへ更新、対空砲の搭載などの改装を受けて太平洋戦争に臨んだそう。箱絵は日本機と戦闘中の情景が描かれているのだが、もちろん本物は真珠湾攻撃で撃沈されている。一方ペンシルバニアは真珠湾攻撃で損傷したものの、大改装を受け戦線復帰し、改装後は新型戦艦みたいな艦容になってしまった。
さあ作るよ、と思って箱を開けたらモールドは甘すぎるし、部品の合いが悪いというレベルではなかった。しかも一番はあ?と思ったのが、副砲が1基を除いて全部砲身がぽっきん。こんな箱絵のような戦艦なんか、この時点で作れるわけもなかった。客船のような舷窓、厚ぼったいブルワーク、なんじゃこりゃあ。一応船体を組む(左右合わせる構造になってた)とこまでやって、もう無理とあとは放置。以来3年の間ずっと作業机の一角に船体だけが置かれていた。
ところが机を片付けようとひさびさにこの船体を取り出して、作業続行か捨てるかを考え、結局作業続行ということにして、副砲が全滅なので改装後のペンシルバニアにすることにした(といっても、最近モールドのよいキットが出てるみたいだけど)。
でもまたこれが長い道のりで、しかも受験勉強しながらその合間にちょっと作るを繰り返してたせいで、作業がちっとも進まなかった。船体のスキマ修正だけでも一週間くらいかかった。上部構造物の部品はプラスチックの塊という表現がぴったりなほどに形も悪かったし、もちろんそのまま船体に載せても合わない。結局改装後の艦橋や後部艦橋、機銃座などはほとんど手製、たぶんフルスクラッチよりも手間がかかってるんじゃなかろうかと思うくらいの手間ヒマをかけ、ようやく完成した。もうこんなもん二度と作りたくない(写真)。
もうすでに箱絵のとはまったく別な物体になってしまっているのだが....。まあ実物もそのくらいに大掛かりな改装を受けたってことで。ちなみにキットの部品で使ったものは、船体と煙突、前部マストの一部、主砲、水偵回収用クレーンくらいだと思う。あとの武装パーツ類やアンテナ類は全てピットロードの装備セットや、タミヤのアイオワ用のパーツから取ってきた。機銃だけでも40基以上、全身ハリネズミという表現がまさにぴったりなフネである。上空からの写真も一枚。
はあ、それにしてもほんとに完成するとは思わなかったよ。いつ捨てようかと常に思っていたからなこれは。しかしこうしてできあがって他の艦とくらべてみたら、船体がずいぶんずんぐりしてる。同時期の日本の戦艦伊勢と比べても、だいぶ太く見える。いかにも無理やり改装しましたって感じの戦艦ペンシルバニア、まあ日本のフネばかりではなくたまにはこういう外国のフネも面白いなあと思った。
でももうこのキットは作りたくないけど。