福岡にも市内を東西に地下鉄が走ってる。福岡空港、博多駅、天神、西新、姪浜といった主要地点を一本で結ぶため、けっこう利用者は多く(空港線に限っては)黒字らしい。かくいう私も天神から西新へ、あるいは天神から大学のあった箱崎方面までよく利用した。地下鉄のうち空港線は、JRの筑肥線と乗り入れをしている。そのため地下鉄車両が郊外の筑前前原まで、また地下鉄線内でもJRの103系や303系を見ることができる。今から8年も前のこと、初めて福岡に降り立って、空港から初めて乗った電車が筑肥線の103系だった。
相方の103系1500番台と303系はマイクロエースから製品として出てるけど、なぜか地下鉄車両は1000系も2000系も出ていない。まあ製品化したところで売れるわけないけどね。ないならないで、作ってみようではないですか。
今回はベースとして東急8090系キットを用意した。車体の断面が福岡市交1000系とそっくりだったから。コルゲート(と言えるのかね)の配置も似てる気がする。これに足りない分の側板と屋根、阪急キットのクーラー(京阪を作った余り)、京王キットの余りのアンテナパーツなどを用意した。
ではまず先頭車の工作から。前面は大改造必至であり、まず側板から手をつける。8090系は20mだが、1000系先頭車は20.5mとちょっとだけ長い。また、乗務員ドアが左右非対称(西鉄5000系や山陽3000系や113系みたいな)になっている。まずここの処理を済ませる(写真)。
左側板は写真のように前に別の側板から切り取ってきたものをちょっと継ぎ足す。キットは5両セットなので、4両編成を作るためには1両分の側板をつぶせばいいことになる。ちなみに乗務員ドア前後のコルゲートは不要なので削っておく。
次いで右の側板。中間車側板と先頭車側板を切り、つなぎ合わせる(写真)。
客用ドアと乗務員ドアの間隔が少し広がることになる。
また、ドア間の窓も1000系は2連窓みたいになっている。8090系は二つの窓が独立してる状態なので、まず中央の柱を落として二つの窓をつなげる(写真上の側板)。
窓周りを傷つけないように慎重な工作が必要になるけど...、さして難易度は高くない。さらにここに1mm角のプラ角棒をつなげた窓の中央に立てる。これで西武新2000系のような2連窓を(簡単にではあるけど)表現できたことになる。
あとは車体裾の台車がつくあたりにあるでっぱりを削りとり、行き先表示幕を移設する。8090系の表示幕は中央やや左に寄っているが、1000系は車体中央に位置する。コルゲートを傷つけないよう慎重に...。でもどうしてもコルゲートが削れてしまうので、行き先表示幕は写真のようにプラ板で表現し、周囲より一段高くした。以上の工作が完了したのが写真下の側板。
次は妻板の加工。1000系の場合、妻板には窓がなく、また通路は広幅のものがついている。これを表現するために、ここでは単純に8090系の妻板の窓をプラ板などを使って埋めてしまった。
中間車も同様に、側窓まわりと妻板の窓埋めをしておく。ちなみに実際は妻板に一番近い側窓(側板の左右の端にある窓)は8090系のような正方形に近いものではなく、もっと縦に細長い。妻板の裏側が117系みたいな茶色いスペースになってるため、その分窓が細くなっているわけ。作例はそのままにしたけど、気になるなら1mm角棒を窓の妻板よりに縦につけて、窓を細くしたほうがいいと思う。
ということで後編につづく。