ネタニヤフ氏逮捕状、英「反対せず」 政権交代で判断覆す
パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦を継続するイスラエルに対して、国際社会からの批判がさらに強まっています。
ハリス米副大統領は25日、訪米中のイスラエルのネタニヤフ首相と会談。ガザの人道状況に「深刻な懸念」を伝えたうえで、イスラム組織ハマスとの停戦合意を迫りました。バイデン大統領も別にネタニヤフ氏と会談し、一国も早い停戦合意を求めました。
オーストラリアとニュージーランド、カナダの3カ国は26日、各首相名でイスラエルに即時停戦の実現を求める共同声明を発表しています。
AP通信によると、英国政府は26日、国際刑事裁判所(ICC)が同裁判所の検事局の求めに応じてイスラエルのネタニヤフ首相に対する逮捕状を発行するかどうかについて、英政府として干渉する考えがないことを明らかにしました。
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米CIA長官らローマで交渉へ 議論は停滞か
パレスチナ自治区ガザでの停戦や人質解放の交渉をめぐり、米ネットメディア「アクシオス」は26日、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官がイスラエルや仲介国のエジプト、カタールの高官と28日にローマで会談する、と報じた。米国とイスラエルの高官が明かしたという。
報道によると、イスラエル側からは対外諜報(ちょうほう)機関モサドのバルネア長官が出席する。一方、ネタニヤフ首相は交渉で、ガザとエジプトの境界線をイスラエルが継続して管理することなどを主張。強硬姿勢を崩しておらず、議論は停滞するとみられるという。
イスラエル政府関係者は「ネタニヤフ首相は不可能な取引を望んでいる。現時点では交渉を前進させる気がないので、合意ではなく、危機に向かうかもしれない」と語ったという。
■■■2024年7月26日(日本時間)の動き■■■
ネタニヤフ氏への逮捕状 英政府「反対せず」
AP通信によると、英国政府は26日、国際刑事裁判所(ICC)が同裁判所の検事局の求めに応じてイスラエルのネタニヤフ首相に対する逮捕状を発行するかどうかについて、英政府として干渉する考えがないことを明らかにした。保守党の前政権は逮捕状の請求を非難し、発行に反対する考えを示していた。
英国では今月4日の総選挙で労働党が単独過半数を獲得し、政権交代した。スターマー首相の報道官は26日、「(逮捕状発行への反対は)前政権の提案だが、手続きはとられていなかった。我々は裁判所が判断すべき問題だと長く考えており、政府として(前政権の方針を)追求することはない」と述べたという。
ICCの検察局は5月、ネタニヤフ氏とイスラエルのガラント国防相、ハマス幹部3人に戦争犯罪や人道に対する罪で逮捕状を請求したと発表していた。