マイナ保険証、情報古すぎて「退職したら使えない」「就職しても使えない」の衝撃…河野大臣は「大丈夫だと思ってる」の上から目線
5月15日、会計検査院が公表した「マイナンバー制度における地方公共団体による情報照会の実施状況について」という調査結果が波紋を広げている。 【秘蔵写真】寝癖がトレードマークだった、学生時代の眼鏡を掛けていない河野氏 マイナカードは社会保障・税・災害対策の行政手続を簡略化するため、多くの機能が付随しているが、1258機能のうち自治体が使ったのは年金申請などわずか33機能(3%)。税金減免など485機能(39%)はまったく使われていなかった(2022年度)。 「なかでも大きな問題だとされているのが、退職や就職にともなう『国民健康保険に関する手続き』です。 住民が国民健康保険に加入したり、脱退した場合、自治体は医療保険の資格状況を確認する必要があります。もちろんこれはマイナンバー情報の照会で可能ですが、加入に関する事務では全市町村の97.4%、脱退に関する事務では97.6%で……つまり事実上ほぼすべての地域で、マイナ情報の照会率が50%未満となっていました。 理由は、『データが古く、最新の情報が得られないこと』『一度照会したが不十分で、以後照会しないことにした』『書類を出してもらったほうが効率的』などです。 結果として、退職などで126万2606件の事務作業が、就職などで106万6379件の事務作業が発生していました。あわせて230万件以上ですから、致命的な欠陥といえるでしょう」(政治担当記者) 政府は、2014年度から、総額2100億円以上の経費や補助金を投じて、マイナンバーによる個人情報の照会システムを整備してきたにもかかわらず、行政手続きがまったく簡略化されていなかった。 マイナカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の4月の利用率は6.56%。国家公務員の3月の利用率も5.73%と低迷している。 5月17日の記者会見で、河野太郎デジタル担当相は、マイナ保険証の利用率が低迷したままでも、現行の健康保険証を12月に廃止するかを問われ、「12月2日の予定は変更ございません」と言い切った。 さらに、医療現場で混乱が起きるという声について問われ、「特に……大丈夫だと思っています。すいません。次の方、いらっしゃいますので」と質問を打ち切った。 河野大臣が「大丈夫だと思っている」と上から目線で質問を打ち切ったことに、「X」では批判的な声が多くあがっている。 《現在、マイナ保険証のバグで「退職者」が無保険になる重大なバグが見つかっているのに大丈夫はないでしょう》 《責任感ゼロ!ですね!》 《最近、医療の現場で、マイナカードを使うように仕向ける圧がすごい》 5月19日、岸田文雄首相は視察先の山形県酒田市で、マイナ保険証について、「国民への周知・広報をおこないながら、利用促進を積極的に推進していく」と述べた。 現行の健康保険証の廃止まであと7カ月を切った。このまま突き進んで本当に「大丈夫」なのだろうか。