イスラエル軍のガザ病院攻撃、患者多数死亡か 米報道が惨状伝え

 

イスラエル軍が撤退後、シファ病院の破壊された墓を調べるパレスチナの人たち=ガザ市で2024年4月1日、ロイター

イスラエル軍が撤退後、シファ病院の破壊された墓を調べるパレスチナの人たち=ガザ市で2024年4月1日、ロイター© 毎日新聞 提供

 イスラエル軍は1日、パレスチナ自治区ガザ地区北部ガザ市のシファ病院で3月18日から行っていたイスラム組織ハマスの掃討作戦を、終了したと発表した。同軍は患者や医療関係者に配慮しながら作戦を行ったと主張しているが、患者に多数の死者が出ている模様で、米CNNテレビは現場を見た地元記者の話として「ホラー映画のようだ」と惨状を報じている。

 イスラエル軍は病院内で多数の武器や文書を押収したと説明。作戦は市民や患者、医療チームへの危害を防ぎながら実施したとしているものの、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は31日、病院で21人の患者が死亡したと指摘している。

 CNNは地元記者の話として「多くの人が家族を捜しに病院に来ているが、全員が亡くなっている」と伝えた。病院では遺体が腐敗。患者らの栄養状態も悪く、生存者はボトル1本の水を1日6人で分け合う状態だった。

 シファ病院を巡っては、イスラエル軍は敷地内に、ガザ地区を支配するハマスの「司令部」があると主張し、昨年11月に病院に突入。今年3月18日には再び病院を襲撃した。ハマスは軍事利用を否定している。【エルサレム松岡大地】

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