自民裏金の「使途」は「旧文通費」の領収書で“二重計上”か…立憲議員が予算委で指摘

後藤祐一議員(C)日刊ゲンダイ

後藤祐一議員(C)日刊ゲンダイ© 日刊ゲンダイDIGITAL

自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を巡り、野党側は21日午後、衆院に続き参院でも政治倫理審査会(政倫審)の開催を申し入れた。

政倫審への出席を求めたのは、政治資金収支報告書の不記載があった安倍派と二階派の参院議員31人と、すでに政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で在宅起訴され、自民党を離党した大野泰正参院議員(64)。

参院で開催されれば初となる政倫審。衆院でも出席者を巡って自民党と野党側で“攻防”が続いているが、21日の衆院予算委員会の質疑を見る限り、もはや開催は不可欠だろう。

この日、質問に立った立憲民主党の後藤祐一衆院議員(54)は、不記載が判明した議員ら91人を対象に行った自民党の聞き取り調査結果をもとに「報告書を読んだが、なぜ、裏金を作ったのか。やめようとしたのになぜ、やめられなかったのかの理由が全然分からない」として、林芳正官房長官(63)の認識を質したが、林官房長官は「官房長官として(理由や認識を)確認する立場にない。国会のことは国会でお決めになる事」と繰り返すばかり。まるで他人事のようで全くラチがあかなかった。

 

■自民報告書で挙げられていた裏金の使途をめぐる疑問とは…

何を聞いても「お答えする立場にない」のであれば、答える立場にある「裏金議員本人」に政倫審に出席してもらう以外にない。衆参ともに1日も早く政倫審を開き、真相解明を進めるべきだが、この日の後藤氏の質問でもう一つ、重要な指摘があった。「使途」を巡る疑惑だ。

自民党の報告書では、裏金の主な使途として「事務費」「書籍代」「人件費」「通信費」などが挙げられていたのだが、後藤氏はこれらの項目が旧文書通信交通滞在費(現調査研究広報滞在費)と重なっているとして、「旧文通費で使った領収書ではないのか」「(裏金の使途と)二重計上しているのではないか」と問うたのだ。

国会議員に支給されている月額100万円の旧文通費は「第二の歳費」と呼ばれ、使途を公開しないカネとして問題視されている。すでに私的に支出して領収書が見つからない裏金の使途を隠す“アリバイ”のために旧文通費の領収書を提示していたとすれば大問題だ。

やはり、すべての裏金議員を政倫審に出席してもらい、洗いざらい明らかにするべきだ。

関連するビデオ: 自民“裏金問題” 聞き取り調査 使い道は? 匿名で公表 (日テレNEWS NNN)

ウォッチで表示