裏金事件で政倫審開催へ 安倍派「5人衆」の出席焦点に

 

衆院予算委員会に臨む岸田文雄首相=2024年2月14日午前8時57分、竹内幹撮影

衆院予算委員会に臨む岸田文雄首相=2024年2月14日午前8時57分、竹内幹撮影© 毎日新聞 提供

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、岸田文雄首相(党総裁)は14日、国会の政治倫理審査会(政倫審)開催に応じる方針を固め、党幹部に調整を指示した。16日にも国会内で衆院政倫審の与党幹事懇談会を開き、具体的な日程調整に入る。衆院での開催は、来年度予算案が衆院通過した後の3月上旬で調整する。野党は予算委で安倍派幹部の「5人衆」や二階俊博元幹事長らの出席を求めており、出席をどの程度、取り付けられるかが焦点となる。

 首相は14日の予算委で、5人衆らについて「説明責任を尽くすよう働きかけている。さまざまな手段があると党としても考えているし、関係者と意見交換している」と述べた。ただし、政倫審の開催については「本人の意向等さまざまな観点から国会としてご判断いただくべきものだ」と述べるにとどめ、明言を避けた。

 

 予算委では、野党側が裏金の実態解明が不十分だとして、政倫審の開催を指示すべきだと首相に繰り返し迫っている。政権幹部は「首相は開催に決して後ろ向きではない。与野党間で調整を進めてほしいということだ」と語り、自民関係者は「まだどうなるか分からないが、開かざるを得ない状況だ」と語った。安倍派幹部らの出席について、自民幹部は、安倍派5人衆のうち、参院議員のため衆院政倫審では対象外となる世耕弘成前党参院幹事長を除く4人については「出席を容認している」と明かした。座長を務めた塩谷立元文部科学相も出席の方向で調整している。

 ただ、政倫審には出席を強制する権限はなく、今後も調整を続ける。非公開での開催となる見通し。自民党は政治資金収支報告書に不記載があった議員への聞き取り調査の結果も15日に公表する方針だ。

 また、首相は衆院予算委で、政治団体の会計責任者が逮捕・起訴された場合に団体の代表を務める議員本人も処分できるようにするなど、議員の責任厳格化に向け、3月17日に予定する党大会で党則を改定する考えを示した。【高橋祐貴、木下訓明、池田直】

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