有機フッ素化合物『発生源の特定を急ぐよう求める』人体への影響が指摘される  井芹川の「有機フッ素化合物」熊本市長は分析を急ぐ考

 

京大・原田准教授『発生源の特定を急ぐよう求める』人体への影響が指摘されている “暫定指針値を上回る” 井芹川の「有機フッ素化合物」熊本市長は分析を急ぐ考え

京大・原田准教授『発生源の特定を急ぐよう求める』人体への影響が指摘されている “暫定指針値を上回る” 井芹川の「有機フッ素化合物」熊本市長は分析を急ぐ考え© 熊本放送(RKK)

熊本市を流れる井芹川(いせりがわ)から人体への影響が指摘されている有機フッ素化合物が、国の指針値を超えて検出された問題で、熊本市の大西(おおにし)市長は、分析を急ぐ考えを示しました。

暫定指針値を上回る有機フッ素化合物を検出

この問題は京都大学などが今年8月と9月に熊本市の井芹川と坪井川(つぼいがわ)で水質調査を行った結果、井芹川の上流から中流の7か所で、国が暫定的に定めた指針値の50ナノグラムを上回る有機フッ素化合物を検出したものです。

このうち最も濃度が高かったのは、JR植木駅に近い熊本市北区の鐙田橋(あぶみだばし)付近で、73.62ナノグラムを検出しました。

これを受け、大西市長は10日の定例会見で…

大西市長「(暫定指針値の超過は)非常に驚いている。特に熊本は水の都の街でもあり、水質が汚染されることはあってはならない」

このように話し、水の分析を急いだうえで、検査結果などを周辺の農家や市民に伝えるとしました。

 

上流にあるとみられる発生源の特定を

熊本市はきのう(11月9日)、鐙田橋からさらに上流を含む9か所で水を採取していて分析を進めています。

京都大学大学院医学研究科の原田浩二准教授などの調査では、井芹川の上流から中流にかけて国の暫定指針値を超える有機フッ素化合物を検出しました。

最も高かったのは、JR植木駅に近い鐙田橋の付近。国の暫定指針値は50ナノグラムですが、こちらは73.62ナノグラムでした。

そして、ここから約6.4キロ下流で、熊本市北区の崇城大学に近い天神大橋(てんじんおおはし)のあたりでは52.68ナノグラムを検出しました。

ここから下流では暫定指針値を下回り、熊本市西区の上熊本駅橋(かみくまもとえきばし)では46.32ナノグラム、さらに下流の尾崎橋(おざきばし)は28.73ナノグラムでした。

この結果について、原田准教授は「下流に行くほど水が増えて、有機フッ素化合物が薄まった可能性が高い」と見ていて、上流にあるとみられる発生源の特定を急ぐように求めています。

熊本市では、今年5月に北区の井戸から暫定指針値を超える値が検出されたことから、プロジェクトチームを組んで調査を進めていますが、井芹川などについても熊本県と協力して分析などを急ぐとしています。