田舎暮らしに抵抗しかなかった私は、この町の初め粗探しばかりしていた。
道路がガタガタで草花が道を阻んでいるとか
実家からならコンビニは何分で着くのにとか
そういう事にいちいち腹を立てて、帰りたいなぁと思っていた。
そんなある日、いつもの道を心の中で文句を言いながらベビーカーを押して歩いてたら突然「ねえ!」と生垣の向こうから声をかけられた。
ビックリして立ち止まると、生垣の向こうにその家のおじさんが立っていたのが葉の間から少しだけ見えた。
おじさん「お姉さん、カキいる?」
ぴょん吉「え?」
おじさん「ちょっと待ってて!」
そう言うとおじさんは外に回ってきて枝付きのカキをくれた。
おじさん「ベビーカーの下乗るかな?甘いよ!」
私は驚きっぱなしで、その後何か会話をしたけどよく覚えていない。
とにかくいつも怒ってた道のりが“カキおじさん”のおかげで驚きと、少し幸せな気分のみちのりに変わった。
その日から少しずつこの町と関わっていこうと思い始められるようになった。
ありがとう“カキおじさん”