今、野球というスポーツの報道に
ついては転換期を迎えるべき
だと思う。
賭博問題、元プロ野球選手の
覚せい剤使用など野球に関する
問題が話題となっており、
「プロ野球選手は
もてはやされているから」
「社会経験がないまま
プロの世界に入り大金を手にして
しまう選手も多いから」
といった意見まで出てきている。
そもそも日本には
「野球の特別観」というものがある。
高校スポーツでも、
ほかのスポーツで全国優勝した学校が
それほど取り上げられなくても、
高校野球で甲子園に行けば大スター
という風潮はある。
またほかのスポーツでは、
個人で日本のトップ３０位くらいに
入っていてもなかなかスポンサーが
つかず、生活のために他の仕事や
コーチ業をしながら競技を
続けるという選手も多い。
でもプロ野球で日本のトップ３０の
選手に入れば、
いわゆる１億円級プレーヤーだ。
もちろん野球というスポーツが日本で
最も人気のあるスポーツで、
文化でもあり、選手も必死に努力して
戦っているには違いない。
賭博や不正行為に関わっているのも
ほんの一部の選手や関係者であると
信じたい。
ただ必死に頑張って結果を出している
ほかのスポーツ選手のことを報道し
より多くの人に知ってもらうのも
メディアの大きな責務だ。
私も個人的に野球は好きで子供の頃
から球場でもよく試合を見てきたが、
スポーツニュースの冒頭から
プロ野球のキャンプ情報や新人選手の
プライベートまで見たいとは
思わないし、それより、
今まさに正念場を迎えて優勝を
争っている様々なスポーツを多く
知ってもらおうという思いのある
メディアが増えても
いいのではないだろうか。
競技の種類問わずアスリートは
必死に頑張っている。
みんな有名になるためにスポーツを
しているわけではないが、
多くの人に知ってもらい認知され、
応援やサポートを受けて
より活躍できる選手も多いはずだ。
残念ながら「まずは野球」という
風潮によって野球選手にまつわる
問題やスキャンダルが引き起こされて
いる可能性は十分に考えられる。
本当にスポーツの技術を高め、
勝つためにプレーすることに専念
していれば、そのような不正行為が
入り込む余地はないはずだ。
日本は様々なスポーツで
活躍できる国だ。
４年後には東京オリンピックも
開催される。
いろんな競技で活躍する
日本人選手たちみんなをしっかりと
応援できる日本であり、
そしてそれを伝えられる
メディアでありたい。
スポーツキャスター
フリーアナウンサー
吉崎仁康
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