聞いてください。
うちの近所のすき家は瓶ビールが毎回ぬるいんです。
冷えが足りないのレベルではなく、完全な常温。
元来、常温のビールを出すのは、カレーライスを皿だけで出すのと同じ・・・という考えの僕にとっては耐えられない事実。
さらに、『冷たいのありませんか?』と聞くと、店員さんが瓶を触り、『充分冷たいですが?』と嘘をつきます。
明らかな嘘。
あれを冷たいとするなら、お風呂は常に70℃の湯船につかってないと嘘です。
でも、僕は『じゃあなたの家の風呂の設定温度は70℃なのですか?』と言うのをグッとこらえました。
顔見た感じ、『はあ?』と言われそうな予感がしたんです。
その予感は的中しました。
常温のビールを『冷たいですけど?』とうそぶく店員さんの顔は何と言いますか、一切悪びれる様子のない、純粋でまっすぐな顔だったんです。
常温のビールを『冷えている』と信じて疑わない顔。
裏で『変なお客さんがいてさ。キンキンのビールを冷えてないと言うんだよね。変な人いるよね。』と今にも言いそうな顔です。
しかもしかも、その顔がとてもかわいい。
クリックリのおめめの超童顔の青年。
でもここで引き下がるわけにはいきません。
すき家のビールはコンビニで買うより高いのです。
コンビニによれば、もっと安く冷えたビールが手に入ります。
僕はこう言いました。
『じゃ、冷蔵庫の設定温度がおかしいのですね?』と。
すると童顔店員タケル君は(タケルっぽい顔だったので便宜上、タケルにします)、『冷蔵庫の設定温度については対応しかねます。』と、らしくないオフィシャルな返しをしてきます。
『このビールは冷えているし、冷えていないとあなたが感じたとしても、どう冷やしていたかはお答えしかねます。しかもこのビールは冷えているし・・・』というタケル君の言い分です。童顔で。
僕はこれ以上のタケル君との戦いはビールを冷やさないと判断し、終戦を迎えました。
そして、からだ全体の設定温度を30℃上げ、ぬる~いビールを、『キンキンだねぇ。』と思うことを自分に強要しながら飲んだのです。
しかもこのすき家、いつも瓶ビールが常温。
『ビールを冷やすな!常温を冷えてるとしろ!』は店の方針なのか、それともタケル君の罠か。
もしかしたら、僕はタケル君に騙されたのかもしれません。
もし今頃、タケル君が『ビール冷えてないとか言われたから、冷えてますって押し通したよ!』とケラケラ笑ってたとしたら・・・
タケル君の裏の顔、恐ろしいやつです。