ガストロノミー(仏: gastronomie、英: gastronomy)とは、食事・料理と文化の関係を考察することをいう。語源・起源はフランスの食文化にある。日本では美食術、美食学とも訳されることが多い。贅沢あるいは先鋭的な料理を調理して味わうことだけを指すと理解されがちだが、それらは分野の一部にすぎない。ガストロノミーとは、料理を中心として、様々な文化的要素で構成される。すなわち、食や食文化に関する総合的学問体系と言うことができ[1]、美術や社会科学、さらにはヒトの消化器系の点から自然科学にも関連がある。
転じて、レストラン・ガストロノミックと、(料理としての)格が高いフランス料理のレストランや高級食材店名の冠としても用いられる。こうした傾向は、フランス国内の枠だけに留まらず、イタリアなどヨーロッパ各地域の料理においても広く用いられる。
ガストロノミーを実践する人を、食通あるいはグルメなどと呼ぶが、彼らの主な活動は、料理にまつわる発見、飲食、研究、理解、執筆、その他の体験に携わることである。料理にまつわるものには、舞踊、演劇、絵画、彫刻、文芸、建築、音楽、言い換えれば、芸術がある。だがそれだけでなく、物理学、数学、化学、生物学、地質学、農学、さらに人類学、歴史学、哲学、心理学、社会学も関わりがある。
特に、調理とガストロノミーへの科学の適用は、近年では分子ガストロノミーと呼ばれるようになっている。
また2004年には、スローフード運動の発起人らがイタリアのブラに食科学大学を設立している。
2019年6月には、岩手県宮古市で「三陸国際ガストロノミー会議2019」が、東日本大震災からの復興プロジェクトの一つとして開催された[1た]。