こないおとこ | 山口粧太オフィシャルブログ『東京生活』

こないおとこ

歯医者の予約をまた飛ばした。
美人女医にチョーパンを喰らいたくないので、種無しマスカットで許しを乞うた。
というか、持ってく途中で昼食に出てたアシスタントさんを偶然発見したので、無理くり持たせてしまった。

「皆さんで食べて下さい。えーと先生には、ひどい風邪で起きれなかったと」
「はいはい判りました。ジョギング中に御苦労様」
「あっ」

なぜ予約を飛ばしたかというと、ウチにはカレンダーがなくて、それに今まで手帳も持ったことがなくて、唯一携帯の待ち受けの小っちゃなカレンダーだけが俺の頼りなのだ。
アラーム設定をすればいいんだろうが、鳴るとドキッっとして、どーもためらってしまう。
就寝前に、「明日は歯医者だよ。朝、も一度言うね」なんて喋るアプリができたら、すぐにスマホにするんだけどなあ。

言い訳ではないが、決して“ずぼらじゃあない男”の筈なのだ。
中日の神宮の日程はそらんじる事が出来るし、家賃の支払いは2か月以上溜めた事はないし、冷蔵庫のビールだって切らした事がない。
当然撮影の時だって、前日に香盤表(予定表)をFAXで送ってくれたりもするが、飛ばすことなどありえないのだ。

いや‥ありえた。しかも2回も。

詳細を書くと長くなるので割愛するが、1度目に迷惑をかけた相手(共演者)が香坂みゆきさんで、2度目の時が清水圭だったのだ(なんと御夫婦)。なので3度目があるとすれば、御子息の時なんだろうなあ(どんなまとめや)。

正直、2度目の時は色々と手違いが重なった結果だったので、俺に責任は無かったのだが、結果として現場を待たせてしまった。
単車が一番早く到着できると判断した俺は、首都高をぶっ飛ばし、門前で待つマネージャーを無視し、まずは清水さんの控室に飛び込んだ。

「申し訳ありませんでした」
「おはよ。聞いた聞いた。あれじゃ誰でも遅刻するがな。災難やったな」
「とんでもないっす。それよりこのあとの仕事に差しつかえありませんでしょうか」
「このあとは今日はないねん。心配してくれてありがとう」
と、あの笑顔で迎えてくれた。ホッ。。。

まあ1度目の時は、撮影所で2時間正座しましたけどね。新人だったし。

なんにせよ遅刻はアカン。特に先輩を待たせちゃまずいんですよ、この世界。

じゃあ、後輩ならいいのか?



結構大丈夫。なんせすっごい権力社会ですから。

……
横須賀のロケ先お昼前。
ある怖い顔の先輩が来なくて、仲の良い中野英雄氏に電話がかかってきた。、

「英雄~、俺の替りに出といてくれ~」
「は、あんた主役じゃん。俺の顔じゃ顔面凶器じゃないし無理無理」
「じゃあ、まだ途中だけど向かうわ~」
「向かうわ~って、どうしたんすか」
「朝から車のエンジンが掛からなくってよ~」
「え、朝に出たの、ほんとに」
「お~、だけどよ~、ず~とエンジンが掛からなかったんだあ~」
「もう11時ですけど、ず~と掛からなかったの」
「うん、英雄うるせ~」
「今どこっすか?」
「首都高に乗った~」
「出たばっかじゃん。もう判りましたよ。皆に差し入れ買ってきて下さいよ」
「英雄が買っとけ~」
「何言ってるんすか。コーヒーと茶菓子100人分ね」
「バカヤロ~、途中でエンジンがよ~」
「エンジンが?」
「切れちゃあ、行けねえだろ~」
「先輩、それ面白いわ」

……
先日、相棒なんか撮ってる大監督に、

「監督、大昔にメッチャ雪が降った日があって、朝から電車も動かなくてタクシーも捕まらなくて、俺は途中まで走ってギリギリ現場に間に合ったんすよ」
「ほう」
「監督は?と助監督に訊いたら、『まだ到着してません、なんせこの雪ですから』って言って」
「ほう」
「2時間経ったらようやく監督が来て、俺が、『雪、大変でしたね』って言ったら、監督なんて言ったか覚えてます?」
「え」
「すまんすまん、夕べ飲みすぎて起きれなかった」
「覚えてない」

……
そんな訳なので歯医者の諸君よろしく(お願い、やっぱ読まないでえ!先生のほうが全然権力あるしい!)。

そうだ、今月に後輩の宍戸(シシド)のライブがあるからそれに遅刻してやろう。
でも‥のちにタカられるから、ちゃんと行こう。

携帯のカレンダーに入力しよ。

あ、宍戸(シシド)が穴戸(アナド)になっちゃった。
いいんだ後輩だし。

文句あるか!(スケールが小物)。

……
おまけ1
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先週末、神宮外苑恒例24時間マラソンがあった。
無論、俺は参加してないが、完走は50人ぐらいいたかなあ(終盤でも俺より早い人多し)。
完走は凄いが、皆さん翌日遅刻しませんように。


おまけ2
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「サンペー、混んでるし今度登ろうね」
「今度今度って聞き飽きたよ」
「…」
「おいらが3千円おごろうか」
「そんな、先輩!」

にしても料金たけーや。むしろ拒否ってるよね、この値段じゃ。
エンパイヤみたいに階段があればいいのに。

でも‥階段は勘弁(やはり小物)。