洋裁系男子、呼び出される | 山口粧太オフィシャルブログ『東京生活』

洋裁系男子、呼び出される

“ 洋裁系男子 ”

というタイトルのブログを去年の5/17に書いた。
内容は、私のコートをミシンのレンタルスペースで、私の手で“お直し”をするというものであった。
で、そのコートであるが、とにかく解体が大変で、当時現場でエツコ先生に
「ここと、そこと、あっちと、こっちを解体したら持ってきてね。そしたらミシンで縫う事ができるから」
と言われ、自宅でちょこちょこやってる間に夏が近づき、解体が終わった頃にはTシャツの季節になってしまっていた。
なんだか夏にコートを直すのも気分が乗らないので、寒くなったら再開しようと決め、タンスの奥にしまい込んでいたのだ。

そして今回、急に寒さが増してきたので例のコートを… 
ではなく、ほかに持っている、前ボタンの無いコートに細工(隠しボタン付け)をして寒さを凌ごうと思い、久しぶりにエツコ先生のアトリエに電話を入れたのだ。
いつもならエツコ先生のお嬢さんの“タレメさん”がウヒョヒョと楽しく明るく電話に出てくれる筈なのだが、今回は不遇にも、なんとエツコ大先生が出てしまった。 やばい。

「あのう、私、山口粧太と申しまして以前に‥」
「あなた元気なの?コートはどうしたの?あたしずっと心配してるんですよ」
と、いきなりのカウンターパンチ。
「はいすいません!実は今回は別件でお願いしたい事がありまして」
「コートはいいの?Gパンがどうのって前におっしゃってたわね?それともスーツの袖丈?なあに?」
「ええ、はあ、それもあるんですが‥」

あれやこれやとつまらない冗談を必死で織り交ぜながら、エツコ先生の機嫌をとり、なんとか今回のお願いを伝える事に成功した。 ホッ。

「わかりました。じゃあオカダヤで材料を買ってから、こちらにいらっしゃるのね」
「はい、宜しくお願いします」
「それと山口さん、例のコートを持ってきてください」
「いやあ今回はいいですよ。私もその日は時間があまり取れないので」
「私が暇な時に縫ってさしあげるから、持ってきてほしいの」
「え、そんなわけにはいきませんよ」
「いいのよ。あなたが縫うにはまだ至難の業だし、それにコートがあのままでは、とても可哀相だわ」
「はあ」

という訳で、当日はコートを2着持っていき、バラバラ事件の可哀相なコートをエツコ先生に預け、今回の隠しボタン作戦に取り掛かった。

「山口さんはそこに座って、みかんでも食べてて」
「え?あの、はい」

腕におぼえあり。
エツコ先生は電光石火の如く、瞬く間に今回のミッションを終わらせてしまった。オカダヤのお姉さんが「これは手間ですよ」と言っていた、力(チカラ)ボタンならぬ、力布(革製)を縫い合わせる事すらも、あっけなく。いとも簡単に。
私の横で、お孫さんの衣装にミシンを掛けていた生徒さんが、
「なんだか親子みたいですねえ」と笑いながらおっしゃたったので、私は慌てて、
「いえ、母ではなく、姉なのでお間違えなく」と訂正した。するとエツコ先生が、
「山口さんは優しいのね。でもそうおっしゃってくれて嬉しいわ」と笑顔を見せてくれた。

「さあ出来た。山口さん着てみてちょうだい」
私はコートに袖を通し、隠しボタンに手を掛けた。
完璧な採寸。完璧な仕上がり。
それを見た先程の生徒さんが、
「さすがですわエツコ先生。なんだか俳優さんみたいに見えますもの」と感想を述べてくれた。すると先生が、
「このかたは俳優さんなの。俳優さんは恰好良くなきゃいけないのよ」と言葉を返した。
恥ずかしさ全開の私であるが‥ ごもっともです。
エツコ先生の言うように、俳優ならば、恰好よくせねばならない。
せめて、生き様ぐらいは。ね。

いつも我儘をありがとうございます。
これからも面倒をかけますが宜しくですエツコ先生。いや、エツコ姉さん。

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……
おまけというか追伸

カメラは帰ってたウルトラマン。←駄洒落にもなってない。
皆様、お騒がせしました。
大グルメ写真大会とナオユキの娘達は次回に乗せるので待っててね。

連絡簿
このところ携帯からのコメントが度々消えてしまうようですが、何故かは解かりません。
アメーバに文句を言うのも面倒なので、「あ、消えた」とでも追記してください。メンゴ。←ふる。