また丑三つ時だよジャック | 山口粧太オフィシャルブログ『東京生活』

また丑三つ時だよジャック

『24・SEASON1』10時間目。

レーダー探知機はご存じだろうか?
オービス(速度自動監視機)や、ねずみ取りを事前に音声で知らせてくれる車載アイテムだ。
私の車とバイクの改造係である石橋君は、ヘビーな『24』マニアで、彼の車の探知機は、なんとジャック・バウアーが喋る(警告する)のである。
「もうすぐオービスだ。気をつけろ」「スピード落とせ。落とせと言ってるんだ」とバウアー特有の、上から目線で警告しまくるのである。
そんな石橋君に、まだ見終わっていない『24・SEASON1』の経過報告をした。
「10時間くらい見たんだけど、もう心が折れそうだよ」
「解かります。前半は退屈なんですよね。ただもう少し見て下さい。12時間ごろからグッと面白くなってきますから」
「・・了解」

……
その12時間目。

ディスクを入れ替えた。石橋君が言うところのグッと面白くなる時間帯だ。
見慣れたタイトル『24』がチカチカと現れ本編が始まった。すると‥
犯人グループの新たな‥ げっ、まさか‥ 第2のテロリストが登場。

 おい犯人交代かよ!これじゃ降り出しじゃん!ロールプレイングゲームかよ!

と失神寸前だったのだが、ここで放棄すると石橋君が車両改造任務から離脱してしまう可能性があるので、ここはグッと堪えて状況を見守る事にした。
優秀なメカニックの石橋君がいなくなるのは、クリープをいれないネスカフェなのである(古っ!)。

まあ12話目ともなると、撮影期間もおそらく半年以上は経過しているせいか、撮影隊も随分と熟れ(こなれ)てきていて、ストーリーのテンポも良くなった。
バウワー夫人と娘が誘拐されるのだが、その娘ではなく母親(夫人)がレイプされるという、テレビとは思えぬ展開にも驚いたし、ようやく脱出に成功したと思ったら、その母親の不注意で、なんと娘が車で爆死!夫人はそのショックで記憶喪失に!
 
 おおやるじゃないか、えぐいぞトウェニィ・ホォ~~!

と思ったら‥
娘は無事でした。しかもピカピカの無傷。夫人もすぐに元通り。おいおい。
やっぱりヒーロー物だし、これは仕方のない所ですか。

やや残念感(残尿感ではない)を覚えた私ではあったが、それはこの男の登場で一瞬にして払拭された。なんとデニス・ホッパー登場! 
そう、ワルの親玉がデニス・ホッパーなのだ。

 ううん、渋いわ~、カッコええわ~

どうやらこのまま突っ走れそうだ。いけいけデニス!国家権力を焼き尽くせ!
は、いいのだが‥ その手段が‥
またもや娘を誘拐。

 もういいぜっ(サンドイッチマン風)。

……
18時間目

誘拐再び、か。
さすがに疲労感がどっと溢れたので、DVDのストップボタンを押した。さあ寝よ寝よ。
入力ソースが切り替わったTV画面では、NHKのトーク番組が放送されていた。
3人の人物が車座に座り、なにやらアニメを語っている。よーく見るとその人たちは、

 古谷徹さんと、野沢雅子さんと、もう一人は‥知らないなあ。

古谷さんがアムロを語り、野沢さんが鉄郎を語り、謎の人物の順番がきた。

「私は9年間、ジャック・バウワーの声をやってきました」

な、なんと、レーダー探知機がそこにいたのだ。ありえない偶然。
ただ今の時刻‥またもや丑三つ時。恐るべし『24』。

どうやら眠れそうにない。残り2枚か。

……
24時間目

え、終わり?ここで終わりなの?
怒涛の、無茶振りの、破たんしまくりの、ラスト1時間の最期がこれ? ええ~~?

翌日、石橋君にその事(結末の違和感)を伝え、SEASON2は勘弁してくれと申し出た。すると石橋君は、
「不可解ですよね。しかしSEASON2を見るとその謎が明らかになります。バックストーリーが隠されているんですよ。あまりにも興味深いバックストーリーが」

バックストーリー?なんじゃそれ?
聞き慣れない言葉。俺の頭に浮かんできたのは、何故かバックストリートボーイズのはげたAJの顔だった。


おしまい。

……

おまけ1
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↑探知機ではなく、バウワーの声の小山力也さん。
どことなくジャックに似てませんか?

古谷さんも小山さんも、少し受け口の印象があって、しゃべりが時折『息になる』ように私には聞こえます。だからなのか、ジャックの吹き替えの台詞は、時々解かりづらいことがあります(私だけかも)。
しかし実はこれ、逆に『今、何を言ったの?』という思いを起こさせ、見る側の集中を高める作用があるのです。
以前、武田鉄矢さんもTVで同じ事を言ってました。「金八が、ここぞという時の台詞は、ワザとはっきり喋りません」って。
そして、やや息になると、切なさが出るんですよね。アムロなんかはそれが顕著に表れていると思います。
(*古谷さん、小山さん、勝手な事を言ってすいません。)


おまけ2
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このムートンの上着ですが、中野英雄氏が今年の春にくれた物です。

春の野比海岸の中野邸。
「これ、着なよ」
「え、新品じゃん」
「うん。買ってきた日にウチで鏡見たら、おれ似合わねえなあって思ってさあ」
「ふうん。ありがと」

この前のロケ先。
「春にくれた上着、超あったかいよ」
「あ、そうだ。黄色いマッキントッシュのコートも今度あげるわ」
「え、なんで?」
「最近太ってきて、もう着れないんだ」
「めっちゃ高いやん。でも着れないならねえ」
「うん、黒の同じの買ったし、もういいや」
「俺の車は黄色だし、黄色のコートで黄色の車、なんか美輪明宏さんみたいだね」

赤のベンツが似合わなくなった。とは、まだ言いそうもない中野氏であるが、

どうもありがとう。


おまけ3
中日がぁぁぁ~~