罪と罰 | 山口粧太オフィシャルブログ『東京生活』

罪と罰

中日ドラゴンズ 中日が首位のうちに更新します(巨人・ヤクルトも同率ですが、防御率が中日1位なので独断で首位とします。いいんです)。

私は神宮球場の近くに住んでいるので、神宮での中日戦は全試合制覇を毎年心掛けております。
んで、駆けつけに生ビールを1、2杯注文し、その後は自前の水筒に入れた赤ワインを頂くのがいつものルーティーンなのですが、先日(3/30~4/1)の神宮は、メッチャ寒かった。
防寒着もしっかり着込んだのですが、到着30分後にはガタガタと身体が震えてきて、とても2杯目のビールを注文する気にはなれませんでした。

出かけの事。
球場の寒さは予想していたので 「今日はワインじゃないな~」 と思いつつも、 「でも焼酎のお湯割りを水筒に入れるのも腐りそうだな~」 とか、 「おいおい、さすがに熱燗は1ℓも飲めんだろうよ」 とか、どうしたらいいのか解らず悩んでる間に、ヤクルトバカの後輩の俊との待ち合わせ時間が迫ってきたので、仕方なく手ぶらで出かることにしました。
電動自転車は軽快に走り始めたのですが、肩に掛けたカバンに、水筒の重みが無いのはやはり不安で、それは例えるなら、いつものポケットに携帯が無い感覚とか、財布の重みが感じられない違和感とか・・(違うか)。

俊と待ち合わせをしたのは信濃町駅の横のミニストップ。
少し時間に遅れた私は買い物もせず、レジの脇から2階の飲食スペースに駆け上がりました。
しかしそこには到着しているはずの俊の姿はなく、忌々(イマイマ)しいヤクルトのユニホームを着たチャラけた若造たちが、たむろっているだけでした(N野H雄氏なら、きっとカツアゲしたことでしょう)。
はて、どうしたのかと思い、俊に電話すると、

「はい俊です。もう着いてますよ」
「え、球場に行った?」
「いえ、粧太さんに言われたミニストップの2階にいるっす」
「は?俺もいるよ」
「え、あれ、駅の横のミニストップの2階っすよね?」
「そう」
「あれ~、信濃町ですよね」
「そう信濃町」
「改札出て左の・・」
「いや、右だよ、右」
「いえいえ左ですよ。ミニストップがあって、2階が喫茶店で・・」
「喫茶店?」
「ええ、プロントっていうカフェです。だからビール注文して飲んでます」

もうおわかりでしょう。というか、私もこの日に知ったのですが、信濃町の駅には出口の両側にミニストップがあったのです。
そんなやりとりの5分後に駆け足で現れた俊は、こともあろうにヤクルトのユニホームを着ていたので、私は一方的に、理不尽に、彼の愚かな行為を責め上げ、「まあ寒いし、慌てなくてもいいや。たっぷり反省したまえ」 とブツブツ言いながら、階下で買った缶ビールを飲み始めてしまいました。

「あの~粧太さん、そろそろ行きませんか?」
「ん、まだ6時半だし試合は動いてないだろう」
「一応、調べてみるっす」 と俊が携帯で試合速報をチェックし始め・・

「粧太さん、初回終了で2対1で中日リードっす」

いやな予感がしました。
中日リードは朗報なのですが、四番のブランコが、ホームランを打ったかも?です。
このブランコは去年から中日に入団した選手で、火の出る様な打球を飛ばす昨年の本塁打王なのですが、何故か私は生でブランコのホームランを見た事がなく、横浜でもドームでも、私が行けない日に限ってヤツは打つんです。縁が無いとはいえ、ブランコのホームランがどうしても昨年から見たかったのです。俊はその事をもちろん知っています。

「俊、まさかブランコが打ったんじゃ~ねえの?」
「いや~(汗)、詳細はわからないっすけど・・、和田じゃないっすかねぇ」
「もしも、もしもブランコだったら・・・・」
「もしもブランコだったら? 何すか?」
「おまえ、処刑」
「そ、そんな」

右側のミニストップを出た私達は自転車を2人乗りで飛ばしました。途中、おまわりさんから警笛を鳴らされたのですが、もちろん無視、振り切ります。

「粧太さん、桜が咲き始めましたね」 ビール片手に、俊は呑気なものです。
「おまえには、見納めになるかもな」 私は小さく囁きました。

慌てても仕方がないのですが、球場の近くまで来ると何故か気がせくものです。
入り口に近い駐輪禁止区域に堂々自転車を乗り入れた私達は、制止する警備のお兄ちゃんらに、 「俺達はヤクルトだ」 と訳のわからない事を告げ、またもや振り切りました。そして急ぎ足で歓声の渦に。
この光の異空間に入った時に感じる高揚感は、子供の頃から何度来ても変わりません。

「じゃあな、俊」
「それでは」

私達は互いの健闘を祈り(ウソ)、別れました。 え?
そうなんです。俊はヤクルトの応援席側へ、私は中日の応援席側へと遠く離れるのです。
じゃあ最初から別々に行けばいいじゃん!とお思いでしょうが、それはホレ、競馬なんかでも予想しあったり、行くまでが楽しかったりするじゃないですか。
以前はセンターあたりで仲良く観戦したこともあったのですが、やはり煮え切らないというか、不完全燃焼をお互い感じるようになったので、最近はこうしているのです(わかるかな~)。

おおっと!忘れてた~!
私は移動の最中に、ピンクのドアラ耳ピンクドアラをつけた中日応援団のおねえちゃんに尋ねました。

「初回の得点は誰が打ったの?」
「ブランコのホームランで~す!」
「ま、まじでぇ~~」

芽生える、殺意。

振り返れども、俊の姿は、ない。

電話をした。

既に、留守電。

「ちっ。あやつ、生き延びやがった」


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24 ヒデノリと酔っ払いまみヒデノニャは2軍調整中なので、しばしお待ち下さい。


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あたしといえば、
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床屋さんだったり、

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悪党だったりします。詳細はまた後日に。