永六輔に続いて大橋巨泉が亡くなった。先に亡くなった愛川欣也、前田武彦、青島幸男、そして菅原文太など、この世代の文化人や俳優にリベラル(社会主義的な思想)の人が多かったと気付く。TV・マスメディアなどで、発信力の強いこれらの人々からメッセージを受けても日本人の持つ懐の深さは、バランスの良い社会を築き上げてきた。

政党においても同様で、何でも反対を貫く共産党はある意味、筋金入りで小気味よい存在である。ところが自民党時代には有能な保守政治家であった小沢一郎が政策ではなく政局に肩入れ過ぎて失敗、その挙句山本太郎なる素っ頓狂な際物の名称を党名にしてまで、何でも反対の野党に与しているのは解せない。

本来なら二大政党政治の一翼を担うはずの民進党(民主党)の体たらくには目を覆いたくなる。
健全な野党が必要不可欠であることに論を俟たないが、今回の鳥越俊太郎の擁立には首をかしげてしまう。

記者会見で悪びれることなく「政策は分からない。これから勉強する」と発言するような人物を担いでどうするつもりなのか?都知事選は著名人でリベラル思想の人物(石田純一もその範疇であった)なら誰でも良いのか?責任野党として恥をかいているようなものである。

「政策のない病み上がりの候補者を担ぎ出した」と対立候補が発言したことに鳥越俊太郎が猛反発している。
私の友人にもがん患者が多数存在する。苦しい闘病生活を乗り越えて社会復帰をした(しようとする)人たちを誹謗中傷や差別する意図など毛頭ない。同様に対立候補にもあったとは思えない。

鳥越俊太郎は公人である都知事を目指しているのであり、都民に対する責任の重さは計り知れないものがある。
その重責を果たすために年齢(76歳)と4度にわたる手術という現実を自問自答すれば出馬を自粛するのが自明のことであり、万が一4年間の任期中にがんの再発があった場合、民進党は都民に釈明出来るのだろうか?

鳥越俊太郎がガンを克服してジャーナリストとして頑張るなら誰もが心から拍手と応援をするが、都知事は別である。それを差別と絶叫する鳥越俊太郎に理性が存在しているとは思えない。

そもそも市民運動のデモ現場で安保法制や反原発を叫び、参加者から喝采を受け、神経がマヒしたのではないか?元シールズ代表者の演説に煽られ、野党が動員した群衆の熱気を自己への支持と誤解して「人生のなかで一番健康、体内年齢は48歳」などと吠えまくっている事が滑稽であると気付かないなら、一度冷静になって自己を見つめ直して欲しい。

灼熱の選挙戦に終日街頭に立てないような体力では都知事のような要職は無理である。
巣鴨でも森進一を紹介しただけで自己の演説を行わず、炎天下に動員された高齢の運動家たちを怒らせてしまったではないか!!
それが鳥越俊太郎の現実であり、限界なのである。

民進党には今回の失態について十分な責任を感じてもらいたい。そのうえで責任野党として二大政党の一翼を担える日が到来することに期待する。

7月20日