私の母は8年前に他界しました。

60歳になって2週間も経たない雪のチラつく日でした。

ハッキリ覚えてないけど、その何年か前に脳梗塞で入院してました。

幸い軽めだったので右足に若干の麻痺が残った程度で済みましたが

運転も出来なくなり仕事を辞め

買い物も自由に行けないし父に頼むのも遠慮してたのかイヤだったのか

リハビリも兼ねてと自転車でスーパーへ向かう途中

強風に煽られ深い用水に落ちて手首を折る大怪我をしてまた入院。

金属で固定されたので寒くなると手首が冷えて痛いと言ってました。

脳梗塞を起こした時に初めて母が高血圧で降圧剤を飲んでいる事を知りました。

まったく知らなかった。

母は、というか親は大半がそうなのかもしれないけど

心配かけまいと病気の事は何も話してくれなかった。

母は私の前では弱音を吐かない人でした。

他人の愚痴や文句や悪口は言ってたけどw

自分の事はあんまり話さなかった気がする。

私は結婚してからも実家へよく行ってたけど

母と深い話をしたことがなかったなぁと最近思う。

もっといろんな話をしたら良かった。

自分が癌になって入院して

母がいたら良かったのになぁと時々思うと同時に

母が入院してた時にもっと会いに行って

もっと母と話して

もっと寄り添ってあげれば良かったと思うようになった。

私は母のことをちゃんと理解してあげてたんだろうか。

弱音を吐かない強い母だと思ってたけど

ほんとは寂しくて私を頼りたかったんじゃないか。

自転車で転んだ時も

母「迷惑かけんように自分でスーパー行こうと思ってチュー

私「余計に迷惑かけてどーすんのw」

こんな会話で終わってた。

ほんとは私に来て欲しかったんじゃないか。

もっと母の性格を理解して

本音を、気持ちを汲んであげたら良かった。

脳梗塞で入院した時

私が実家から入院に必要な身の回りの物を揃えて持って行った。

母が頼んでなかったヘアブラシやゴムや美容品を持って行った私のことを

「やっぱり娘だねぇ照れ

と嬉しそうに話してたとあとから聞いた。

母が生きていたら、きっと毎日のようにお見舞いに来てくれたと思う。

子供の前では完璧な母。

だけど、ほんとはそんなに完璧じゃなかったって今は分かる。

母だって一人の人間だから当たり前だ。

もっと早くそれを分かってあげれなかった事が悔しい。

強い母に甘えるばかりで

母が甘える事をさせなかった。

当時使っていた携帯に残る母から最後にもらったメールは

「どうしていますか?さみしいです」

車で15分ほどの所に住んでいるのに

忙しいからとなかなか実家に行ってなかった。

こんなメールをもらったのに行かなかった。

まさか死んでしまうと思ってなかったから。

ごめんねお母さん。

母の死因は心不全。

その日たまたま私は実家へ行ってて

私が帰ったあと間もなく亡くなったんじゃないかと思われた。

最期に会えて良かったね、と言われたけど

母はひとりで倒れて亡くなった。

なぜ私がいる時じゃなかったんだろう。

ひとりで寂しく死なせてしまった。

最期まで寂しい思いをさせてしまった。

母のことは後悔ばかりだ。

母と私は多分、性格が似ている。

だから今は母の気持ちが分かる。

よく分かるから、分かってしまうからしんどい。

後悔ばかりだ…