求菩提山の歴史を訪ねて | CATのフィールドⅢ

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CATは少年時代のニックネーム。フイールドは権現山で、内容は
登った山の話しや諸事を日記として掲載。

 
       3月2日(土) 曇り後晴れくもり晴れ
 
       梅が満開の頃、豊前の修験の山、求菩提山(782m)を久しぶりに訪ねた。
       この山の歴史は古く、526年ト仙が入山、715年頃行善が開山後、頼厳が
       修験道場をつくり、山伏集団の一大拠点を築いた。鎌倉初期が全盛期で、
       山はおおいに栄えたそうだ。以後時代に翻ろうされながら、明治の廃仏毀釈
       の宗教革命で、神に仏が敗れ、明治34年官営八幡製鉄所が建設される頃、
       山伏家族達は山を下りはじめ、今はその姿は無い。
 
       同伴者:WJ会・Is会長、Suカメラマン、私、Mi(ほっけさん)  ガイド:Is会長
 
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 ▼車道沿いの岩屋に有る洞窟。ここも山伏の修行場になっていた所で、岩天井に飛天の絵が
 描かれている。極楽浄土を願って描かれたものだろう。風化が激しいが姿ははっきりと見られる。
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 ▼鳥井畑登山口に立派な駐車場が出来ている。途中沢山の石仏が立っている。中でも「お秋の
 墓」目につく、慶安3年4月(1650)27才の字が読み取れる。この当たりの地名が秋霧台と
 言い、霧の深い所らしく、ここで殺された、お秋と言う女性の霊が霧となって漂っていると言う
 伝説がある。車を降りて登り始めると、レインウエアを着るほどではないが、みぞれが降ってきた。
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 ▼史跡巡りが主だと八丁坂手前から左へ入って行く。
  左、「禊場」山伏達が俗界から聖域に入る時、ここで冷泉を浴びて身を清めたところ。
  右、「氷室」冬に出来た氷を、夏まで貯蔵しておく施設。山伏は天皇や貴族に氷を献上してい
  たらしく、明治の頃まで使われていたと言う。
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             ▼噴火でできた山に再び噴火が起き、この様な段付き山に
             なったと、Is会長が話していた。修験の秘境らしく、幻想的に
             霧に包まれていた。お秋の霊の所為だろうか・・・。
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  ▼登山者によく知られている五窟(阿弥陀窟、吉祥窟、多聞窟、普賢窟、大日窟) これらの窟
  から国宝の銅板経や経筒など、貴重な物がたくさん出土している。
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 ▼五窟を巡り山頂へ向かう。ここからジグザグの登りになり、やがて胎蔵界護摩場跡が有った尾根
 に出る。尾根に辿り着くと突然雪景色に変わった。思わぬサプライズに万歳して記念写真を撮った。
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 ▼護摩場跡から山頂は近い。山頂に行善の上宮があり、周辺は沢山の巨石が横たわっている。
  面白のは「辰の口」と言われる巨石だが、この石の穴から蒸気が出ている。だから暖気で雪も
  積もらない。しばらくMiさんは頭を突っ込み離れなかった(笑) 如何にも原始信仰の祖形にふさ
  わしい山だ。この現象の理由は分からない。
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 ▼開山の祖・行善を祀る上宮。昼から晴れて青空が見えてきた。
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 ▼よく聞く話だが、この山にも鬼が一夜にして築いたと言う、850段の急な長い石段がある。雪解け
  で濡れた石段に注意しながら下って行くと、やがて中宮に至る。ここに鬼神社がある。いたずら鬼
  たちを山伏達が退治したのだろうか? 鬼が築いた石段話もまんざら逸話でもなさそうだ。
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 ▼左「獅子の口」 この当たりは山伏の集落が有った所で、貴重な水場だったのだろう。近くには
  山伏寺「安浄寺」跡がある。沢山の地蔵が鎮座していたが、この地は廃仏希釈の影響を受け
  なかったのだろうか? 地蔵の首はみな座っている。
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 ▼山伏の家「岩尾坊」江戸末期の建造物で、明治5年まで岩尾と言う山伏が住んでいたとある。
  今は空き家で、県によって管理されている。周辺に紙の原料になるミツマタの花が咲いていた。
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 ▼昼は下山後に食べる事にしていた。求菩提山の北側、城井の「城井ふる里村」へIs会長が案内
  してくれた。小屋づくりの面白い店だった。
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 ▼養鶏所が経営する店で、ニワトリがメインだ。久しぶりに卵かけごはんを食べた。2000円で
  一回ピンポン玉のつかみ放題があり、両手でつかん数だけ、無料で卵を貰える事になって
  いる。Is会長が代表で26個もすくい取った(爆) いいお土産ができた。
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     豊前に友が居る事もあり、菩提山は5回ほど登っているが、鳥井畑の登山口から
    登ったのは初めてで、今回Is会長の案内で、新たな史跡を見聞し、求菩提山の興味
    が一層深まった。またよい時期に天狗の山を歩いてみようと思う。
 
    帰りはIs会長に小倉駅まで送ってもらい、駅前の百貨店「コレット」に寄り、店内に
    ある好日山荘の登山靴を見に行った・・・。