私はがん治療のために病院に通い始めて

いろんなプロフェッショナルと

関わるようになりました。

 

 

私にとって

プロフェッショナルとは

 

 

お医者さんや看護師さん

薬剤師さん栄養士さんは

もちろんですが

 

 

受付の事務員さんや

ベッドメイキングをしてくれる方々

病棟のクリーニングをしてくれる方々

食事をつくってくれる方々

図書館の運営をされている方々


 

長年そこに勤務している

ベテランさんも

 

経験年数があって

最近この病院にきた新人さんも

 

経験年数の少ない

新人さんも

 

 

病院に勤務されている方々は

私から見ると

すべてプロフェッショナルです。

 

 

 

 

プロフェッショナルって

知識や経験やなんらかの肩書から

判断しがちだと思います。

 

 

 

私もコーチングの分野では

一応プロフェッショナルとして

活動しておりますので

 

 

日々、知識を習得していくのは

当たり前のことで

 

それと同時に

技術を向上させて磨くには

場数という経験が必要で

 

 

経験するためには

時間や年数が必要だと言われ

 

 

私なりに

これまでその技術を

磨いてきたつもりでしたが

 

 

それだけを重要視していたら

真のプロフェッショナルの領域には

いけないなぁと感じさせられことがありました。

 

 

 

 

がんの治療を開始する前に

私は人工肛門を設置したのですが

 

 

人工肛門は

 

肛門の代わりに特別な器具、

例えば義足のようなものを

取り付けるというものではなくて

 

 

自分の腸を

お腹の中から外に出して

便の排出口にしたものです。

 

 

腸には肛門のように

閉じたり開いたりするような

筋肉はないので

 

 

食べ物が流れてくれば

いつでもどこでも

出てきます。

 

おならが出そう・・・って

我慢もできないです。

 

 

 

なので

人工肛門には

「ストーマパウチ」という

排便をキャッチしておく袋を

 

いつもお腹に貼り付けて

日常生活を過ごします。

 

 

 

この人工肛門造設の手術をする前に


前屈みになったときに

どんなふうにお腹にしわが入るのか

 

ストーマパウチを貼る板が

お腹にどんなふうにあたるのか

 

 

どこに人工肛門を設置するかを

 

 

看護師さんと

入念にチェックをしながら

場所を決めてお腹にマーカーで印をつけます。

 

 

看護師さんが印をつけた部分に

外科のお医者さんが

手術して人工肛門を造ります。

 

 

 

この設置場所を決めるのを

何度も何度も看護師さんが

はかってくれていました。

 

 

とても一生懸命に

真剣にしているのはわかりましたが

 

なんとなくぎこちなさがあったので

 

話を聞いてみると

新人さんでした。

 

 

ゆっくりで大丈夫ですから

なんどでも書き直して大丈夫ですよ。

 

 

そう言って看護師さんを

私は見守っていました。

 

 

私の身体を通じたこの経験が

 

看護師さんにとって

大きな勇気と

この先にある大きな成果となりますようにって。

 

 

 

資格が必要なものは

ライセンスを取得した瞬間から

 

プロフェッショナルですが

 

実地経験が少ない時期は

誰でも最初は新人さんです。

 

 

ぎこちないのは

 

失敗は許されないという

プレッシャーがかかり過ぎているだけで


目の前のやるべきことに

真剣にていねいに取り組んでいる証拠です。

 

 

なんだかこの直向きな姿が

とても愛おしく感じました。

 

その看護師さんが

人工肛門設置の位置を決めた後

別の看護師さんがきました。

 

 

先輩看護師さんです。

 

この看護師さんは

私を見た瞬間に

 

肌がアルコールに

アレルギー反応を起こしているのを

すぐに対処をしました。

 

 

それから、

人工肛門の位置のチェックを

し始めました。

 

 

その先輩看護師さんの様子を

となりで新人看護師さんが

大人しくみていたのですが

 

 

どうせなら

もっと近くで

一緒にやってくださいと言うと

 

いいんですか?

ありがとうございます。って

 

 

先輩看護師さんが

新人看護師さんに

 

あれこれと説明しながら

 

私もベットに腰掛けて

前に屈んだり伸ばしたり

 

 

先輩看護師さんも

しゃがんで

下から覗き込んだり

 

普通そんなきつい態勢は

しないような格好で

 

 

入念に設置位置をチェックして

その知識となぜ必要なのかを

ひとつひとつ伝えながら

 

 

最終的に人工肛門の位置は

先輩看護師さんによって決められました。

 

 

 

 

 

 

この先輩看護師さんの

知識だけでなく

自身の経験や実地の技も伝えていく

その姿に明らかに熱があるのを感じました。

 

 

 

なぜ、これを選んだのかを

先輩看護師さんにきいてみると

 

 

ある人がきっかけになってから

これをやろうと決めて資格を取得して

かれこれうん十年。

 

 

この仕事が好きで
知識や経験はたくさん増えているし

やることは同じだけれど

 

 

患者さんは一人一人違っていて

 

 

患者さんにとって

人工肛門の位置は日常生活に

大きく影響しますから

 

 

何年経っても

たくさん経験していても

同じはないですし

 

 

患者さんが少しでも

快適に日常生活を過ごしてもらえるように

それをやるのが私たちの役目ですから。と

 

 

キラッキラな笑顔で

話してくれました。

 

 

 

 

資格を取得して何年経っても

どれだけ経験をして

ベテランとなっても

 

いつも目の前の患者さんが

快適に生活できることを考えているのがわかりました。

 

 

 

それと

初心の頃の熱意が

今もこの看護師さんには

 

成長し続け前進し続ける

「情熱」として

あり続けているんだと感じました。

 

 

 

なにかをやり始めたばかりの

最初の頃は誰でも新人ですが

 

 

年数が経ち

いろんな経験をして

 

新人からベテランになっていくもので

 

 

ベテランになっていくうちに

 

目の前のことに慣れてしまい

 

ひとつひとつ丁寧にみたり

ひとつひとつ確認することを忘れて

 

たんなる作業みたいになってしまっていたり

 

 

経験年数や肩書や

ライセンスに自分を留めてしまって

 

 

経験で学んだ技術や

知恵や知識を自分だけのものにしてしまい


 

自分にある可能性を広げることも

自分にある能力をもっと使うことも

 

 

自分はなんのためにこれを始めたのか

自分はなにに喜びを感じていたのか

 

 

私は本来の目的を

置き忘れてしまっていたかも知れないって

思いました。

 

 

 

自分が常に学び続けること

 

ひとつひとつの経験を

自らに落とし込んで体験すること

 

技術を磨き続けることも

 

もちろん大切な部分ですが

 

 

そこから学んだ知識や

自分が経験して得た技術なども

 

惜しみなく伝えていくことができる者が


 

これが真のプロフェッショナルだと

思い出させてもらえました。

 

 

 

私はこんなに素敵な

プロフェッショナルな方々に

サポートされながら

無事に人工肛門の設置もできました。

 

ほんとうにありがたいです。

 

 

 

 

 

私が出会っている

プロフェッショナルなお医者さんは

こういう方です。

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