手術時、年齢は49歳だった。
症状は末期だった。
軟骨がすり切れてなくなり関節の隙間がなくなり
負荷が集中する箇所の骨が硬くなる「骨硬化」が広がり
「骨のう胞(こつのうほう)」という穴があく所も出てきて
歩くたびに露出いている骨がぶつかる音がする
人工関節の耐用年数を理由に
「今手術したら、10年後くらいに再手術」とか
そういう理由で手術を進めない医者もいた。
だけど
10年、痛い痛いと泣いて暮らすのは嫌だ。
部品としての人工関節
技術としての置換手術の進歩は目覚ましい
10年、5年前とは格段の差。
あとは、自分の骨が照られるかどうかの問題になる。
そして体力
ならば
今で良いじゃないか。
入院と手術を経て「今で良かった」と強く思う。
12年前に同じ手術を受けた70過ぎの方が再手術でいらした。
春先、雪に足をとられ転んでしまって、ゆるんだ、という。
全部を替えるのでなく、一部を替える手術になっていた。
再手術も怖くない、大丈夫。
今で良かった
まだ、次だって大丈夫、それに耐用年数はのびている。
自骨での手術は考えなかった
キアリ骨盤骨切り術やRAO(臼蓋回転移動術)
年齢的に、これらの手術での成功率が落ちる年齢だから。
quality of life、QOL
人間らしい望み通りの生活を送るために
痛み止めを飲まないと生活できない日々は
やはり苦痛であったし
きかない時の苦痛は堪え難かった。
だから
耐用年数なんか気にせずに
手術にふみきって良かった。