9話
・あと一歩でしたね…。王陵璃華子は既に指名手配されています。時間の問題です。
・え？
・よし。
・うん。この組み合わせでお気に入りに登録しておいて。
・ち、違うよぉ！
・違うって言ってるでしょ！キャンセル、メモリー削除！
・キャンディ、なんかニュース。
・じゃあそれで。
・いきなり不機嫌そうですね、狡噛さん。
・いきなりなんなんですか、もう…
・いえ、気にしないでください。私も興味があるので。
・狡噛さんはどう思います？サイボーグ化の不老不死って。
・でも、いつかもっと社会制度が発達すれば、潜在犯の権利だって改善されるかも。
・んん…
・環境ホロをほとんど使っていませんね。
・初めまして、公安局の監視官常守朱です。今日はよろしくお願いします。
・あ、はい。
・はい。
・そうですけど…
・え？！
・え、と…
・あの…
・今の、どうやったんですか？
・雑賀譲二、先生。専門は臨床心理学。
・プロファイリングとか、時代遅れの方法ってことになってますけど、興味があって。
というか、最近興味が出てきて…
・は、はい！とても。すごい先生です。公安局のアーカイブに入ってないのが不思議で仕方ありません。
・え？何かあったんですか？
・でも…講義だけで犯罪係数が上がるなんて…
・狡噛さんは深くまで潜りそうですね。それでもちゃんと帰ってくる。
・結局、雑賀教授の受講者名簿は空振りでしたね。
・それは、私が紹介を頼んで…
・ちょっと待ってください。私を子ども扱いしてるんですか！？
・そんなのチームワークじゃありません！犯罪を解決するのと、自分のサイコパスを守るのと、いったいどっちが大切なんですか！？
・私は…私は確かに新人です。宜野座監視官は尊敬すべき先輩です。しかし、階級上は全くの同格ということを忘れないでください！自分の色相はちゃんと管理できています。いくら先輩とはいえ、職場で、執行官たちの目の前で、私の能力に疑問符を付けるような発言は慎んでいただきたい！
・あんな言い方…
・局長を通して抗議します。
・でも…！
・え？
・そうだったんですか…
・ええ、知ってます。
・でもだからって…
・狡噛さんも、そんな風に思っているんでしょうか…？
10話
・はい、そのメールが最後で…香織も昨日から全然連絡がつかないって…はい。ええ、はい。何かあったらすぐに連絡します。
・そうみたいです。
・からかわれるのはしょっちゅうですけど、こんな悪質なことする子じゃありません。
・すみません…非番なのに。
・公私混同ですか？これって。
・いえ、そんな…ちょっと変ですよね？
・私が？誰に？
・あるわけないじゃないですか！
・狡噛さんまで何言ってるんですか！
・でも、ほんとに罠なら危険です。
・すぐに応援を呼ぶべきじゃないんですか？
・あ、はい。
・常守朱、監視官権限により執行官の武装を申請。
・ええ。データは古いですけど、一応は。
・誰かいますか？
・感度良好。そのまま進んでください。
・破棄された地下鉄路線です。車両を捜索してください。
・狡噛さん！？聞こえますか！？応答して！！
・破棄された地下鉄路線です。車両を捜索してください。
・でも、間違いなく狡噛さんはその先に進んだんです。それどころか、壁を通り抜けてもっと奥まで…
・え？
・妙なっていえば…途中からいきなりスーッとものすごい速さでまっすぐに…そうだ。乗り物に乗ったんだ！このあたりに、南北に走る地下鉄路線がありませんか？
・でも、まだ脱走と決まったわけじゃ…
・殺しても構わないって言うんですか！？宜野座さん友達だったんでしょう！？
・狡噛さん…間に合って！！
11話
・はい。
・あちこちに弾痕が…
・征陸さん…
・狡噛さん…
・ゆき…！
・行方が分からなくなってた私の友人の声だと思います！
・狡噛さん…狡噛さん！！
・まだ事件が終わってないんです！！！
・止まりなさい！！公安局です。武器を捨てて投降しなさい。
・待っててゆき。今助けるから！！
・あなたがゆきを巻き込んだのね。よくも…
・な、槙島…！？
・あなたには、複数の犯罪について重大な嫌疑がかかっています。市民憲章に基づいて同行を要請します。
・逃げられると思ってるの…？
・やっぱり…
・いい気にならないで。あなたはただの犯罪者よ！！
・あなた、一体…
・な、なにをするつもり！？
・で、できるわけない…だって、あなたは…
・ど、どうして…！？
・ゆき…！！
・今すぐゆきを開放しなさい！！さもなくば…！
・やめて…おねがい…！！
・やめてええええ！！！！
・私がゆきを見殺しにした…私がゆきを見殺しにした…
・あの男と…会いました…
・槙島聖護は…ドミネーターで…裁けません…っ