〇ねぇ、ちょっと君!行っちゃうの?五月ちゃんが狙いなんでしょ~?ん?

〇え!ほんとに五月ちゃんなんだ~!ズバリ決め手はなんだったんですか!?真面目なとこ?好きそうだもんね~!そうだ、私が呼んできてあげるよ!

〇がり勉くんの癖に、男らしいこと言うじゃん!困ったらこの一花お姉さんに相談するんだぞ?なんか面白そうだし!

〇あれ、優等生くん!?

〇人の部屋を未開の地扱いしてほしくないなぁ…。

〇あぁ!だめだめ!あっはははは、服着てないから、照れる。

〇四葉、その辺にある服適当に頂戴?

〇もう勉強勉強って、せっかく同級生の女の子の部屋に来たのに…それでいいの?

〇今日はありがとうございました。

〇はい。

〇あーあー……ダメだなぁ。女の子が髪型変えたら、とにかく褒めなきゃ!ほら、浴衣はほんとうに下着を着ないのか興味無い?笑

〇本当にそうかな〜?笑

〇なーんて冗談でーす!少しはドキドキした〜?

〇あ、ごめん!ちょっと電話!……はい。……え?今夜ですか?

〇それでね。さっきの事は秘密にしておいて。私は、皆と一緒に花火を見られない。急なお仕事頼まれちゃって。だから、花火は見に行けない。それに、ほら!同じ顔だし!1人くらいいなくても!

〇ごめんね!人を待たせてるから。

〇なんで?なんでお節介、焼いてくれるの?

〇私達の家庭教師だから?…どうして?

〇ふふふ、本当は友達なのに悪いことしてるみたい。

〇え?えぇっと、ハグだけで友達超えちゃうのは流石に早いかな〜笑

〇なにそれ、めんどくさ。

〇私は友達だと思ってたのに…やっぱり風太郎くんは違ったんだ…傷つくなぁ。

〇じゃあ行くね。とりあえず役、勝ち取ってくるよ。

〇この仕事を始めて、やっと、長女として胸を張れるようになれると思ったの。1人前になるまではあの子達には言わないって決めてたから、急にオーディションの話が来たこと言えなくて…。花火の約束あるのに、黙って来ちゃった……これでオーディション落ちたら、皆に合わす顔がないよ。もう花火大会終わっちゃうね。…それにしても、君が私の細かな違いに気付くなんて思わなかったよ。お姉さんびっくりだ。

〇自覚はあるんだ…。

〇参ったなぁ…風太郎くん1人騙せないなんて、自信なくなってきたよ。

〇わお!直球だね!

〇寄り道なんかじゃない。これが私の目指してる道だよ!

〇は、はぁい!

〇先生。今までありがとう。あの教室で先生に出会って、初めて私は……あなたが先生で良かった。あなたの生徒で良かった。

〇上手く笑えてるかな。あぁ……こんな時みんなはどうやって笑うんだろ。四葉なら、三玖なら、五月なら、二乃なら……。

〇まだお礼言ってなかったね。応援してもらった分、私も君に協力しなきゃ。パートナーだもんね。私は一筋縄ではいかないから、覚悟しといてね?

〇あは……もう…頑張ったね、ありがとう。……今日は、おやすみ。

〇五月ちゃんと喧嘩でもしちゃった?

〇だね。風太郎くんと五月ちゃんは顔を合わせる度喧嘩してる。2人は似た者同士だから。

〇ふふ、でもね。今日はいつもと違う気がした。2人には仲良く喧嘩して欲しいな。

〇そう?あの子も意地になってるんだと思う。風太郎くんは違う?

〇昔から不器用な子だったから、素直になれないだけなんじゃないかな。きっと今も1人で苦しんでる。私にやれる事はやってみるけど、風太郎くんにしか出来ないことがあるから、お願いね。

〇何、この手。

〇寒い……かなぁ。

〇おっはようございまーす!!

〇風太郎くん…!?なんで…。って、あははっみんなめちゃくちゃ。…寝顔を見るのは2度目かな。これくらい平常心でいなきゃ、友達…パートナーじゃないよね。…大丈夫だよね。

〇うん。なんか踊るみたいだね、私達。

〇恥ずかしいよね。どうする?練習でもしとく?

〇あれ?なんでだろ…違うの。…ごめん、一旦置いていいかな?

〇あはは、前にもこういう事あったね。てか、隠れる必要ある?

〇平常心。ここのセンサーも反応させちゃダメだから。……重いとか言わないでよ?大丈夫?

〇どうしたの?

〇こら!太もも堪能するの禁止!

〇はぁーー!!やっぱ言ったぁー!!

〇なんで泣いたか聞かないでくれるんだ。興味無いだけかな?