〇あぁ~…やっちゃった…

〇今日って日勤…じゃないよね?

〇あぁ~…そっか…

〇ヴィクトール・オルタでホテルタッセル…

〇200キロカロリー。テイストはチャイニーズで。

〇配属初日でさ…。なんでよ…。もう。

〇こんなとこかな。

〇じゃあ行ってくるね。

〇うん…。公安局の仕事なんで、詳しいことは言えないけど。

〇まぁ、ね?

〇えぇ~…そんなぁ…。昨夜は全然眠れなかったのに…。

〇まぁ、その…鈍感なのかな~?
〇で、でもさぁ、シビュラシステムを疑うわけじゃないけど、公安局のキャリアなんて私に向いてるのかなぁ?

〇すみませーん、分析官の唐之杜志恩さんはこちらに…

〇昨日付で刑事課に配属になりました、常守朱です。
〇いえ、その…狡噛さんの容体、ここに来れば分かるって聞いて。

〇あ、はぁ…

〇あ、いや、その…ですね。狡噛さんの治療って…

〇い、いえ、それなら別に…

〇はい…。

〇あの。すみません、タブレットって他にあります?

〇でも、その、狡噛さんは…。

〇は、はい!

〇あ、はい!!

〇ドミネーターを使うんですか?

〇全身アバターになりきるってのはちょっと…

〇そんな、スキャナーも使わずにどうして…

〇本当に潜在犯の見分けがつくなんて。

〇私、何の役にも立ってなかった。

〇でもそれって…

〇それってつまり、何も手出しはするなってことですよね?

〇どうぞ。

〇今日はもう非番なんじゃ…

〇別にいいよ。

〇向いてない…かな。

〇シビュラ判定の職能適正、公安局の採用基準にパスできたから。

〇うん。私ね、13省庁6公司全部A判定出たんだ。

〇うん。でもね、ほかの仕事はどれも同じ判定をもらった子が私以外にも1人か2人はいたの。公安局のA判定が出たのは私だけだった。500人以上いた学生の中でただ1人私だけ。だから公安局にはね、私にしかできない仕事がきっとあるって思ってた。そこに行けば私の人生が、この世界に生まれてきた意味が見つかるはずだって。私の考え方、間違ってるかな?

〇すみませんでした!

〇やっぱり怒ってますか?

〇私の判断、間違ってたんでしょうか?ただチームの足を引っ張って、皆を危険にさらしただけだったんでしょうか?

〇狡噛さん…。

〇ありがとうございます!!

〇もっと落ち着いて考える暇があったら、狡噛さんだって彼女を撃とうとはしなかったですよね?

〇狡噛さん…

〇はい。彼女の犯罪係数上昇は一過性のものでした。事実、保護された後のセラピーも良好で、サイコパスは回復に向かっています。