1月14日(火)に下北沢のB1劇場にて『タチヨミ第六巻』を観劇してきました!!

 平日に有給で見に行きましたよ!!やふ~!! チケットをゲットするのが困難でしたが、無事に観劇できてよかったです!

『タチヨミ』はキャストが毎公演違い、同じ組み合わせはないのでは…?と思うくらい、いろんな方が様々な役を演じています。そしてアドリブも豊富で同じ公演は二度とないという朗読劇。事前に告知されていない出演者が当日いきなり登場したり、役者さんの出演日千秋楽だと思っていたら追加出演が決まっていたりする朗読劇です。

14日の出演者は…

麻生かほ子さん

井上喜久子さん

神田朱未さん

岸尾だいすけさん

高乃麗さん

長浜満里子さん

名塚佳織さん

藤原珠恵さん

吉野裕行さん  でした!!

 

 昨年も見に行ったのですが、私が『朗読ってすごい…』と心が揺れたのも、この朗読劇でした。

一番の目的である高乃麗さんの出演日として14日を選んだのですが、何と昨年朗読の素晴らしさを教えてくれた吉野裕行さんの出演日でもあったので、めちゃくちゃ嬉しかったです。


今回は1作15分ぐらいの短編朗読があわせて7作品披露されました。

一作目は『NEWS』
真面目な女性キャスターさんが、ニュースに感化されて番組途中に泣き出す男性キャスターさんや、癖の強い現場リポーターや、キャラの濃い天気予報キャスターさんとマスコットに振り回されながらも、必死に台本通りにニュースを読もうとするお話。
女性キャスター役は高乃さんでした。何となく吹き替えの外国人女性よイメージが強かったです。(多分最近見たから…。)
ことあるごとに、読み上げられるニュースの単語に反応して泣き出す男性キャスター(岸尾さん)に笑いました。『大事な人が亡くなってしまって、それにまつわる単語で泣き出してしまう』とのことでしたが、亡くなったのは確か、母親やペットにみせかけて実はぬいぐるみだったはず…。
あと最後にでてくるお天気マスコット"アマテラス"が可愛かったです♥️ほかの人が演じたアマテラスさ果たしてどんなマスコットになっていたのか…気になります。
 

2作目は『お菓子の家』

お菓子たちの住む世界でタワーマンションを購入しようとする、駄菓子夫婦と不動産屋のお話。最初は胡散臭かったのですが、素性が発覚以降の柄の悪い若者演技に笑いました。
あまりお菓子に詳しくないのですが、駄菓子って沢山種類があるのですね~。
 

3作目は『断捨離』

物が捨てられない男性と、断捨離のプロの女性のお話。

男性の捨てられないものが、『プリキュアや戦隊ヒーローの変身アイテム』で笑いに誘われました。捨てられないものだけ見ると、"おもちゃが捨てられない大人"という印象を受けるのですが、実はこのおもちゃはなくなった娘さんのものだったのです…。娘のおもちゃが捨てられず立ち止まり続けることしかできなかった男性。ですが、断捨離プロの女性の『辛くたって前に進むしかないじゃないですか!!』という言葉を受けて、男性は前に進むことを決意。(実は女性の父親も男性と同じように、前に進めずダメになってしまったそう。父と男性が重なりどうしても救いたかったらしい…。)
岸尾さんのダメ男性からの、父親としての後悔の籠った泣きへの移り変わり、井上さんの心に響く声。お二人の迫真の演技に心が震え、少し泣きそうになりました。
エンディングは『TOMORROW』でした。

涙の数だけ強くなれるよ…。


4作目は『マッスル高校BLUES』

とある高校に通う、体に筋肉たちのお話。
おそらく一番コメディーに走った作品だと思います。

アドリブが多すぎて、曲が鳴り終わったにも関わらず朗読が終わらなかったのは笑いました。「おい、(アドリブが多すぎて)曲終わっちまったじゃねーか!!」
「この朗読は台本通りにやらない流れになっちまったんだよ…」っと誰かが言っていたので、台本とは全く違うセリフが多かったのだと思います。初日も行きたかった…。
…岸尾さんが高笑いしながら舞台袖から登場したのですが、マイクまでけっこう距離があったにも関わらず、声が会場内に響いていたのが凄いなぁ…と思いました。
一番好きなアドリブは井上さんの

「17歳は年齢じゃねぇ、生き様だ!!」

「おい!(アドリブ多すぎて)曲終わっちまったじゃねーか!!」

でした!
エンディングテーマは『奇跡』
 

5作目は『旅立ちの日』
このタイトルを聞き、役が男子小学生と女子小学生だったので、多分卒業式でよく歌うあの曲かな?って思ったんです。ふたを開けたら、最初は卒業式でよくある1年生から6年生までの思い出を全員で発表するものでした。修学旅行の思い出で『とっても悩んだ、修学旅行のお土産。家族にはその辺に落ちていた富士山の石をお土産として渡して、全部仮想通貨につぎ込んだお小遣い。』には笑いましたけど。
しかし、修学旅行での枕投げの思い出である
『あの日、眠らなければ永遠に眠らずに済んだのです』という語りで一変しました。
修学旅行で彼らが宿泊していた旅館が火事にあい、逃げ遅れてしまったのです…。
そう、『旅立ちの日に』というのは『天国に行く』ということだったのです。
『お父さん、お母さん、私たちは天国に旅立ちますが、悲しまないで下さい。今まで育ててくれてありがとう』この台詞は立ち上がり、円をなぞるように歩きながら話されたので、とても印象的でした。
…でも途中まで重い空気だったのですが、最後にはしゃぎまくって集合写真を撮って終わるという、急な明るさで物語は幕を閉じたわけですけど、このなんとも言えない感情は何処に片付ければいいのでしょうか…?
エンディングは『グリーングリーン』
初めて聞いた曲でしたが、耳に残りすぎて終演後すぐに検索

 

6作目は『ベストフレンド』

お笑いの養成所で出会った、脚本に優れた青年と笑いのセンスをもつ女性の出会いから別れのお話がミュージカル仕立てで披露されました。
恋人でもなく夫婦でもなく、友達…。きっと友達だったからこその関係性で、本音で言い合えたのかな?と思いました。"いつでも近くで貴方を見ていた"ということですよね…。
一番好きなお話でした。
あとみなさん歌が上手い。今年も高乃さんのお歌が聞けて嬉しかったです。
 

7作目は『深海に生きる魚族のように自らが燃えなければどこにも光はない』
『私たちは日本の子供です』印象的な言葉から始まった朗読。

ハンセン病をテーマとした作品。

男性の病気発覚から施設での生活、そして現在までの時の流れを描いた朗読劇でした。

息子に必ず会いに来てくれる母親に泣き、元気に接してくれた友人に泣き、
岸尾さんが演じた"お父さん "と呼ばれている人との関わりで泣く。

最後の歌は本当に素敵でした。麻生さんの歌声って本当に透き通るように綺麗ですよね…。

最後の作品は心揺さぶられるって昨年の吉野さんの主人公役で学んだのですが、今年も吉野さんが主人公を演じていたので、たぶんこれは神のお導き…。

 

タチヨミのすごいところって、台本が登場人物のセリフのみで、状況を説明するセリフが一切ないけれど、どんな状況なのかわかってしまう…というところだと思います。役者さんはすごいな、本当にそう思います。

来年も見に行きたいです。