本当に相談者のことを考えたら、嫌われても言うべき事もあるんです・・・。
北海道旭川 離婚カウンセリング 山咲みき
私が離婚問題に携わった初期の頃、とても後悔した事があります。
当時、現役探偵が管理していた某SNSサイトのコミュニティで、私は相談カキコミに対してアドバイスしたり、直接やり取りをしながら問題解決に当たっていました。
その中で、浮気したご主人とは別れ、浮気相手の女性(バツイチでネイルサロン勤務)から慰謝料を取るための相談をしていた、ある女性相談者の話です。
その相談者(Aさん)は、ご主人が浮気相手の素性を最後まで明かさなかったため、相手女性の所在の調べ方や慰謝料請求の交渉の仕方などをコミュニティ内で相談をしては情報収集をしていました。
本来なら、浮気調査をして証拠を取り、調停の場で話し合いをするのが一番確実なのですが、私もそうアドバイスしましたし、探偵である管理者としても、責任を持って調査は請合うし、その後の措置についても最後までアドバイスすることを提案しました。
でもAさんは、決して調査依頼はしようとせず、その後もあくまでコミュニティ内でアドバイスを求めていました。
私もそれ以上口を挟むこともできず、時々彼女が途中経過を書き込むのを見ているだけでした。
しばらくAさんからの質問や相談も途絶え忘れかけていたある日、久々にそのAさんのカキコミが・・・。
彼女はコミュニティで得たアドバイスを元に、自力で浮気相手の所在を探し出し、慰謝料請求の話し合いまで持込み、浮気相手に慰謝料の支払いを承諾させたのです。
コミュニティでのアドバイスだけでそこまでやり遂げた行動力には感心しましたが、その反面、私はなんとなく不安も感じていました。
素人が断片的なアドバイスだけで相手の身元を割り出し、慰謝料請求の交渉までやる事は、かなり無謀で危ないやり方をしたかもしれない。
何事もなく解決すればいいけれど・・・という不安です。
私は実際に探偵の浮気調査の内情や、慰謝料請求などの金銭的な問題の法的な難しさを、リアルな探偵業界に接して感じていたので、Aさんの行動に不安を覚えたのです。
押さえておかなければならないポイントなど、Aさんに確認しようかと何度も思いましたが、直接相談担当でもない私が出る幕でもないと、そのまま傍観してしまいました。
その後しばらくしてまた、Aさんのカキコミがあり、それを見た時、やはり私はとても後悔したのです。
そのAさんは慰謝料の請求額に非常にこだわり、相手女性が「分割支払いでなければムリだ」といってきたのを「一括支払い」を譲らなかったらしいのです。
分割にすると、途中で支払われなくなる事を恐れて一括にこだわったようです。
職場も住所も調べられて逃げ隠れできないと思った相手女性は、仕方なく慰謝料一括払いを承諾したのでしょう。
離婚して家庭を失ったAさんにしてみれば、相手女性から何としても慰謝料をもぎ取らなければ気が済まなかったのだと思います。
だですがやはり、素人の焦りは致命的な失態を招いてしまいました。
相手女性は一円の支払いもしないうちに仕事もやめ、住まいも引き払って消えてしまったのです。
そうなってしまってはもう、相手の所在を探し出すことはプロの探偵にも難しくなります。
結局Aさんは、家庭も失い一円の慰謝料も取れずに終わってしまったのです。
私はあの時、不安に感じていたことをAさんに投げかけていたら、こんなことにはならなかったかも知れないと反省し、管理者であった探偵にそのことを打ち明けました。
その時、探偵である彼が言っていた言葉は「彼女はプロのアドバイスを舐めてかかっていた。
自分だけでやろうとするデメリットについては耳を傾けず、自分の知りたい情報だけを欲しがって、決して自分のやり方を曲げなかった。
知識や情報を得ることに対価を払う事を良しとはせず、あくまで無料相談で解決しようとしていた。
慰謝料の額も、相手が払える金額設定を無視して一括にこだわり、相手が遇の音も出ないほどに追い詰めた。
そこまで追い詰めたら、逃げられても仕方がない。
浮気の証拠もなく、慰謝料請求の念書も正式なものではないから法的な措置も取れず、このまま泣き寝入りしかない。
金をかけるべきところに金をかけず、正しい措置をすべきところに注意が足りなかった結果だ」と。
離婚トラブルのプロならではの、冷静かつシビアな意見だと、私がたしなめられた気持ちになったのを覚えています。
今にして思えば、私にも何が敗因だったのかがわかります。
ご主人が相手女性の素性を最後まで明かさなかった理由も、慰謝料請求より早々に離婚になってしまった理由も。
二手先三手先の状況を考えて行動しなければならないことも・・・。
当時の私には、そこまで先のことを見切れなかった未熟さが悔やまれてなりませんでした。
そこで学んだことは、いくら抜かりなく相手を追い詰めるにしても、万が一に備えての準備と、そこまで相手を追い詰めてしまわない余裕も必要なんだと・・・。
いくらAさんが聞く耳を持たなくても、一言忠告しておくべきだったのではないか。
私が感じた不安は、少なくとも素人にはわからない知識があったからこそ。
アドバイスする者として、自分を信じて、もう一歩踏み込む勇気を持つべきだったのではなかったか、と、今も悔やまれる後悔エピソードでした。
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