懐かしい並木道から
しくしくとか細い声が聞こえてきた

いてもたってもいられずに
愛犬と過ごした日々を今一度夢見ながら
まっしぐらに一路 駆け込んだ

ペットボトル 空き缶
ウェットティッシュに弁当の容器
そして40余りの吸殻達が所在投げに佇んでいた

体力も視力も乏しい私は
耳を澄まして
目を凝らしてさ迷える彼らを還るべき場所へと誘うべく努力した

されど木々は悲しげに風に流れるように
未だに寂しく微笑んでいる