私が統合失調症の症状として落ち込む時の理由は、大体決まって『劣等感を抱いた時』『やりたい事が出来ない時』『人間関係が上手くいかない時』だ。
これらが拗れると「死にたい」という希死念慮が顔を出す。
何があった訳でもないのに、急に具合が悪くなることも統合失調症はしばしばだが、そういう時は本当に疲れている時。ガソリン切れの車状態なのだ。
落ち込むと、もうこの世の終わりみたいな感覚に囚われるが、実際、その落ち込みを解剖してみると、案外大したことない理由で落ち込んでいることが多い。
病気がそうさせているからだ。
常々自分に自信が無い私は、他の人への劣等感を抱きやすく、そのことで落ち込んで希死念慮でがんじがらめになってしまう時が多々ある。
だがその劣等感も、よくよく考えてみると考え過ぎなだけのことが大体だ。
私の劣等感は、容姿のことだったり、能力のことだったり、幸福度のことだったり、他の人と比べては自分を不幸者扱いして落ち込む。
でも、「本当に私は不幸者なのか？」と自問すれば、自答は「NO」である。
衣食住に困ってはおらず、支えてくれる優しい人達も周りにたくさん居て、フリーランスの仕事もあり、そのおかげで自由に生きられている。
なのに「私は不幸者」なんてぬかすもんなのだから、罰当たりもいいとこである。
皆さんはどうだろうか。
「あの人、私（僕）より良い生活をしていて悔しい」「自分は綺麗じゃない。テレビのあの人はあんなに綺麗なのに」などなど、誰かと比較して、自分の劣りを見つけ、自暴自棄になってはいないだろうか。
先程の私の事例からすると、劣等感程無駄なものは無い、というのが答えである。
むしろ、劣等感を抱く、という行為自体、自身を醜くし、持病を悪化させる最悪の思考なのだ。
劣等感という感情は、物凄く悪い思考だ。
そんなものに取り憑かれてしまったら、身を滅ぼすだろう。
それよりも、自分の良い所を見つけ（自分には良い所なんて何も無い！などという捻くれた考えは捨てて）、自分を肯定してあげてほしい。
どんな人にも、必ず良い面はある。
つまらない事で、人生を台無しにしないでほしい。
やりたい事（趣味や仕事など）が、体調不良ややる気が出ないことで出来ない時に落ち込むこともままあるが、そういう時は大体エネルギーが枯渇している。
なので、これはもう仕方のないこと！と割り切って、布団で横になるか、受動的な事（映画を観たり音楽を聴いたり）をするしかない。
私だって、健常者のようにやりたい事を思うように集中して出来たら良いな、と切望することは沢山あるが、その度に落ち込んで具合悪くしていたら、時間はもったいないし、ストレスも溜まるし、何にも良いことなんて無いのだ。
落ち込むことに時間と労力を割くより、何も出来ない時間を休息に使って、早めにエネルギーを溜めてやりたい事を出来るようにすれば、効率良く、しかも健康的に生活を送ることが出来る。
ただ、やりたい事が捗るからって、やり過ぎは禁物だ。
そのコントロールが上手く出来るようになれば、日々の生活がグンと楽になることだろう。
人間関係で疲れるのは健常者も精神障害者も同じだが、特に精神疾患を患っていると、コミュニケーションの取り方が異常に上手く出来ずに、下手すると大きなトラブルにもなり兼ねない。
その中でも私がよく思うのは、精神障害者同士のいざこざだ。
互いに精神状態が不安定なのに、友達が欲しい、という安易な気持ちで繋がり、トラブルに発展するケースはよくある。
だから精神科医は、精神障害者同士が繋がることを好まない。
私も、かなりの回数、精神障害者の子と友達関係になったが、長続きした試しが一度も無い。
その度に凹んで、自尊心をズタズタにして来た。
と言っても、統合失調症だから友達を作ってはいけない、ということではない。
気が合えば長く関係が続くことだってあるだろう。
しかし、健常者だって人間関係で悩むことがあるのだから、統合失調症患者も相応に悩むということを忘れてはいけない。
人間関係での悩みは人それぞれだ。
私なんかは、被害妄想が酷い時があり、仲の良い友人や家族にすら「悪口を言われてる気がする」と疑ってかかり、その人達と距離を置きたくなったりすることもある。
会話も、考えがまとまらないので自分が何を言っているのか判らなくなったり、集中力が無いことで相手の言葉を理解することも出来なかったりで、上手く出来ないのだから困ったものだ。
そういったこともあって人間関係が難しくなってしまうのだ。
どうしたら良いか、考えてみた。
とにかくちゃんとお薬を飲み、ちゃんと通院し、ちゃんと休息を取ること。
そして、無理して不慣れな人と繋がろうとしないこと。
１から良い人間関係を築いて行くのは、並大抵のことではない。
無理をすればどこかに不備が出、わざわざ自分で自分の首を締めるようなことになる。
家族と上手くやって行きたい、友達が欲しい、そう思うのは人間なのだから当然としても、自分の体調を崩してまで成り立たせることはないと思う。
先ず自分の体と心の健康。
優先すべきことに重きを置いてほしいものだ。
